脳科学・脳の健康

Q. 利き手はどうやって決まりますか?

【脳科学者が解説】右利きか、左利きか。利き手がどちらになるかは、どうやって決まるのでしょうか? 利き手は遺伝や生まれつきだけで決定するものではありません。わかりやすく解説します。

阿部 和穂

執筆者:阿部 和穂

脳科学・医薬ガイド

Q. 利き手はどうやって決まるのでしょうか? もともとの脳と関係ありますか?

左利き・利き手

右利きか、左利きか…利き手はどう決まるのでしょうか?


右利きか、左利きか、「利き手」はどう決まるのでしょうか。両親が右利きでも子どもが左利きだったり、子どもの頃に矯正されて左利きから右利きになったりと、利き手にはさまざまなパターンがあります。わかっていることを解説します。

Q. 「利き手はどうやって決まるのでしょうか? 私の家族は兄だけ左利きです。生まれつきの脳のつくりと関係があるのでしょうか?」
 

A. 利き手と脳の関係は不明ですが、右利きが多いのは社会的な要素も大きそうです

利き手と脳の関係が議論されることがありますが、実はまだ真偽は不明です。

字は左手で書くが、箸やハサミは右手で使うという人もいます。野球で左投げのピッチャーでも、普段の生活はすべて右手中心だという人もいます。

そもそも「利き手」という考え方自体に、少し問題があると筆者は考えています。

あなたはリンゴをむくときにどちらの手を使いますか? 多くの人が包丁を右手に持って「右手」と答えるかもしれません。しかし、右手に包丁を持っていたとしても、実際にリンゴをむくときには実は包丁は固定していて、ほとんど動かさないはずです。上手にむくためには、リンゴを持っている左手の方を巧みに回転させながら、包丁に押しあてる技術の方が重要です。ですから、包丁を右手に持っていても、実は「左手」でリンゴをむいているとも言えます。

キャッチボールをするときに、右手でボールを投げる人は、左手にグローブをはめてボールを受け取るのに慣れているでしょう。この場合、「キャッチするときの利き手は左手」ということになります。

また、利き手があったとしても、それは変わるものです。筆者自身は、物心ついたときには、箸も鉛筆もハサミも右手で扱う方がやりやすかったので、右利きに相当するのかもしれません。しかし、高校受験を控えた中学3年生の冬に、右側の鎖骨を骨折してしまい、生まれて初めて左手で箸を使ってみました。最初はうまく扱えませんでしたが、そのうち不器用ながらも使えるようになりました。字も下手ですが、書けるようになりました。この体験からも、利き手は変えられると思っています。

ほとんどの幼児は、最初から決まった利き手はなく、生まれた時点では「両利き」だと言われています。どちらか一方の手で何かしなければならないとき、何となく「やりやすい」と感じた方を自然とよく使うようになり、利き手になっていくようです。

とくにハサミなどは、右手で使うことを前提に作られている市販品がほとんどですので、ハサミを使うときにはおのずと右手を使う必要が出てきます。多くの文字も左から右に書くというルールがあるため、右手に慣れていた方が楽です。多くの親は「右手が使えないと将来困るだろう」と考えて、小さい頃から右手にクレヨンやスプーンを持たせたり、子どもが左手をよく使っていても矯正されるように促すため、結果的に右手を使う人が多くなるのだろうと思われます。
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