Q:年上妻です。妻は65歳から1年間だけ加給年金を受給可能でしょうか?
「妻は無職で64歳、昭和34年1月生まれ、夫は有職で63歳、昭和35年1月生まれです。夫婦共に厚生年金に20年以上加入歴ありです。現在、夫は厚生年金に加入し65歳まで継続雇用される予定で、64歳から特別支給の老齢厚生年金を受給します。夫の会社給与および特別支給の老齢厚生年金を合計しても年収850万円未満です。妻は61歳から特別支給の老齢厚生年金を受給しており、65歳から老齢基礎年金・老齢厚生年金を受給予定です。妻は65歳から1年間だけ加給年金を受給可能でしょうか? また夫は65歳から振替加算を受給可能でしょうか?」(ルミさん)年上の妻。加給年金は受け取れる?
A:おそらく妻は1年分の加給年金を受け取れません。夫も振替加算を受け取れません
老齢厚生年金を受ける人は、以下の要件を満たすと配偶者加給年金を支給されます。【1】65歳に達していること
【2】厚生年金期間が原則20年以上あること
【3】65歳時に、一定の条件を満たした配偶者の生計を維持していること
【3】の「一定の条件を満たした配偶者」とは下記3つに当てはまる人です。
(1)配偶者が65歳未満であること
(2)配偶者の前年の収入が年収850万円または所得655万5000円未満であること
(3)配偶者が20年以上の厚生年金加入期間に基づく老齢厚生年金(または特別支給の老齢厚生年金)や障害年金を受給していないこと
配偶者加算年金が支給されなくなると、一定の条件を満たせば配偶者の老齢基礎年金に振替加算がつきます。この時の一定の条件は以下のとおりです。
<1>配偶者が、大正15年4月2日から昭和41年4月1日までの間に生まれていること
<2>配偶者の厚生年金期間が原則20年未満であること
<3>配偶者が、原則20年以上の厚生年金期間がある人に生計を維持されていること
相談者「ルミ」さんの場合ですが、ルミさんが65歳になる同じ月に夫が64歳となり、夫は20年以上の厚生年金期間に基づく特別支給の老齢厚生年金を受給できるため、ルミさんは配偶者加給年金を受給できません。さらに夫には20年以上の厚生年金期間があるため、夫は振替加算を受けることはできないでしょう。
ただしルミさんが昭和34年1月1日生まれ、夫が昭和35年1月2日以降生まれの場合に限り、ルミさんが1カ月分の加給年金を受給できるでしょう。なぜならルミさんが昭和34年1月1日生まれの場合、前日の12月31日に65歳に達し、翌月1月から老齢厚生年金を受給し始めます。夫が翌年1月1日に64歳に達し翌月2月から特別支給の老齢厚生年金を受給し始めるまでの1カ月間(1月分)の加給年金をルミさんが受給できることになります。
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