今回は、岐阜県で多くの保護猫ボランティアと一緒に野良猫の保護活動を行っているNPO法人「Well being」の代表である今尾さんに、保護猫ボランティアをした場合の、猫の世話にかかるお金がいくらか教えてもらいました。
60代、70代、おひとりさま、はじめて猫を飼う方も保護猫ボランティアは可能
保護猫団体では、里親の条件として「単身者はダメ」「60歳以上はダメ」「高齢者世帯はダメ」という条件が設けてある場合があります。猫好きでも年齢がネックとなり、猫を飼うのを諦めたという人は少なくありません。しかし、保護猫ボランティアで、里親さんが見つかるまでの猫を預かる保護猫ボランティアであれば、高齢でも猫と一緒に暮らせます。
実際、今尾さんが運営する「Well being」では、60代、70代の保護猫ボランティアさんも活動されているとのことです。
「Well beingの保護猫ボランティアさんは、約30人です。そのうち、 60代、70代の方は1割ほどです。ご家族と一緒に暮らす方もいれば、おひとりで暮らしている方もいます」(今尾さん)
今まで、年齢的なことを考え、猫は飼えない……と思っていた方でも「猫を一時的に預かる」という発想の転換で、猫との暮らしが実現できそうです。
しかし、保護したばかりの猫は、人に懐いていない場合も多く、はじめて猫を飼うという人にとっては不安と感じることもあるかもしれません。
「ボランティアさんに負担をかけないよう、Well beingでは、猫の世話の方法をレクチャーしたり、ボランティアさんが家を2、3日空ける場合は預かったりして、できる限りのフォローをしています。というのもボランティアさんが、預けた猫に愛情をかけてくれれば、猫も人懐きの良い子になり、里親さんとも仲良く暮らしていけるからです」(今尾さん)
保護猫ボランティアは、保護猫と里親を繋ぐ大事な役割。猫を飼うのがはじめてという方でも、手厚いフォローがあれば、安心してトライできそうです。
保護猫ボランティアにかかるお金
猫を預かり、家で世話するとなれば、さまざまなお金がかかります。一般的なイメージとして、ワクチンや避妊・去勢などの医療費だけ保護猫団体から支給され、それ以外にかかるキャットフード、猫シート、猫砂などの飼育にかかる費用はボランティア負担と思い伺ってみました。「Well beingでは、キャットフード、ワクチン接種、去勢・避妊手術などの猫にかかる医療費全般、猫ケージは支給しています。猫トイレ・猫砂・猫シート、猫のおやつやおもちゃなどだけ、ボランティアさんに負担してもらっています」(今尾さん)
猫を飼うとき最初にそろえるものは、猫用ケージ(2万~3万円)、猫トイレ、猫ブラシ・おもちゃ、フードボウルなど(約1万円)でトータル3万~4万円。他に、月々の猫砂・猫シート・おやつ(2000円)、キャットフード(3000~4000円)でトータル5000~6000円ほど必要です。しかし、預かりボランティアであれば、初期費用は約1万円、月々かかる費用が2000円ほど。
猫を飼うよりも大幅に費用が抑えられるという点でも、保護猫ボランティアはおススメといえそうです。
ただし、どの保護猫団体でも、医療費、キャットフード代、猫ケージが支給というわけではなく、個々の保護団体で異なるそうです。かかる費用については、直接確認しましょう。
NPO法人Well beingで預かりボランティアをした方々の声を紹介
高齢の方で、猫の預かりボランティアでご活躍の方の声をお届けします。●70代のご夫婦
はじめて預かりボランティアをした猫に里親さんが見つかり、お別れしたときが、寂しくて大変でした。里親さんの動画で元気に過ごしている姿を観てうれしく、今後も続けたいと思いました。
●60代のご夫婦
子猫を預かり、数時間おきの授乳、排せつ介助などの世話は大変でした。成長する姿を見守ることができ幸福です。これからも、ボランティアを続けます。
NPO法人Well being代表 今尾さんのプロフィール
過酷な環境で生きる不幸な野良猫を「増やさない」という決意で、2022年4月22日(よいにゃんにゃん)にNPO法人Well beingを設立。保護して、譲渡した猫は今まで180匹以上。「猫が幸せに、人が穏やかに共生できる街づくり」を目指し活動している。●イベント情報
◆3月「保護猫譲渡会」のご案内◆
日時:2024年3月10日(日)11時30分~14時30分
場所:岐阜市柳津町北塚会館
住所:岐阜市柳津町北塚2丁目60-1
◆4月「保護猫譲渡会」のご案内◆
日時:2024年4月21日(日)11時30分~14時30分
場所:長良公園 軽スポーツ研修センター
住所:岐阜市長良字城之内1466-10
スタッフが多数参加しています。猫について気になることがあれば気軽にご相談ください。