そんなフェリーのひとつが「さんふらわあ」。今回は、さんふらわあのスイートルームで移動し、現地では星野リゾートの温泉旅館ブランド「界」に宿泊する、大阪南港発着の人気ツアーを紹介します。
鹿児島・志布志行きのフェリーは、2018年に建造のフェリー「さんふらわあ きりしま」と「さんふらわあ さつま」。なんとプロジェクションマッピングも!
プロジェクションマッピングもある驚きの船内
車を乗せられるフェリーを利用すれば、荷物を気にする必要もなく、旅先での観光もマイカーで回れます。ベッドに寝ながら移動ができるので身体に優しく、子連れやシニアの方にも快適です。 今回利用したのは、3泊4日(うち船内2泊)の「かごんま解放船旅プラン」。さんふらわあのスイートルームで大阪南港と鹿児島県の志布志港間を往復し、現地では温泉旅館「界 霧島」に宿泊するプランです。 筆者が乗船したのは「さんふらわあ さつま」。受付を済ませて車を駐車し、客船フロアに足を踏み入れると、吹き抜けの開放的なアトリウムが広がり、天井にはプロジェクションマッピングが投影されていました。 館内には、朝夕のビュッフェが楽しめるレストラン、日用品からお土産までそろう売店、さらには海を眺めながら入浴できる大浴場(利用無料)もあります。 もちろん甲板に出れば、入出港時や日の出・日の入りなど刻一刻と変わる景色を楽しむこともでき、船旅気分が盛り上がります!バルコニーからは満天の星も! フェリーのスイートルームへ
「スイートルーム」の扉をあけると、そこはバルコニー付き客室。ゆったりとしたツインベッドと寛げるソファがあり、バルコニーも広々としています。 海を眺めながら、のんびりお茶をしたり乾杯をしたりするのもおすすめ。夕食は船内のビュッフェもいいですが、飲食物の持ち込みが可能なフェリーのルールを活用して、おしゃれなオードブルなどを持ち込み、快適な客室で語らうのもよさそうです。日の出を狙って早起きしたものの雲が多くちょっと残念。でも360度海の解放感と朝の空気がすがすがしい
目覚めたら鹿児島県! 志布志港から宿までは観光しながらドライブを
翌朝9時に志布志港へ到着し、フェリーを後にして向かったのは温泉旅館「界 霧島」。海沿いをドライブして桜島に立ち寄るのもいいでしょう。宿の周辺には霧島神宮など見どころが多く、車があると効率的に回れます。我が家は霧島神宮へ参拝してから、宿へ。界 霧島へ到着。客室からの絶景と茶香炉に癒される
2021年1月29日に開業した「界 霧島」。コンセプトは、「桜島をはるかに見渡し、湯浴み小屋でうるおう宿」。天孫降臨の神話が残る高千穂峰の中腹に位置する宿からは、錦江湾と桜島、当日は天気が良くうっすらと薩摩富士まで見える見事なパノラマが広がりました! 客室は、全室ご当地部屋「薩摩シラス大地の間」。薩摩和紙・大島紬・薩摩錫器など鹿児島の魅力があふれた調度品に囲まれ、部屋にいながら鹿児島の魅力をいっぱいに感じることができます。 客室に入った瞬間から漂う香りはツアーの特典である茶香炉。ほかにも鹿児島の焼酎やおつまみがセットになった「もじょか焼酎」などツアーの特典が。海の次は大地の絶景を見ながらの寛ぎタイムです。温泉へはスロープカーで!? 唯一無二の絶景露天風呂とは?
温泉へはアトラクションのようなスロープーカーに乗り、絶景を楽しみながら向かいます。 温泉の中でもイチオシは、すすきに囲まれた露天風呂。大自然の中で開放感を味わいながら、遠くには桜島を望む癒しのひととき。星空を眺めながら楽しむ夜の温泉も格別です。 夕食のメインはかつお出汁で食べる黒豚のしゃぶしゃぶ。 〆は細麺のお蕎麦を、追いガツオで豊かな香りとともにいただきます。 鹿児島だけに焼酎のラインナップも充実。お酒好きな方にはたまりません。フェリー出航は夕方。 ゆっくり温泉を満喫するも、観光へ向かうも自由自在
志布志港からのフェリー出航は夕方。12時のチェックアウトまで宿でゆっくりするもよし、観光で遠出をしてみるもよし。お好みの過ごし方で楽しめます。現地での宿泊は1泊ですが、朝に到着し、翌夕方に出航なので、意外とゆったり過ごせます。 夕日を見ながら志布志港を後にし、再び心地よいスイートルームで大阪南港へと戻ります。4日間とコンパクトながら、船旅も温泉も観光も…… と、魅力がギュギュッと詰まったツアーはプライスレスな思い出が満載でした。
【DATA】
「かごんま解放船旅プラン」4日間(船内2泊、界 霧島1泊)
往復フェリー運賃(スイート船室)/界 霧島(ご当地部屋「薩摩シラス大地の間」和室)3名1室ご利用旅行代金(おとなひとり):11万5000円~12万9000円 ※車両運搬費込
別府航路の2つのツアーもおすすめ。車なしで楽しめるプランも!
大阪南港から別府港へ向かう航路でも同様のツアーが設定されています。1つは車なしで手軽に楽しめる「ドラマティック船旅湯治プラン」。宿泊は、隈研吾氏が設計した「界 別府」。海に面した客室には大きな窓があり、クルーズの続きのような気分が味わえます。別府市内は公共交通機関も多いので、車なしでも十分に楽しめます。4日間(船内2泊、界 別府1泊)、3名1室でひとり9万5000円~(※車両運搬費はオプション)。 現地での滞在が1泊では物足りないという方には、「界 別府」に加えて、和華蘭の要素を取り入れたおしゃれな館内、雲仙地獄を目の前に臨む「界 雲仙」に宿泊する5日間(船内2泊、現地2泊)の「EVで巡る九州絶景旅」もあります。EV車でも充電の心配がいらず、もちろん一般車での利用もOK。5日間(船内2泊、界 別府1泊、界 雲仙1泊)、3名1室でひとり13万5000円~(※車両運搬費込み)。 大阪~別府航路は、2023年に就航した新造船「さんふらわあ くれない」「さんふらわあ むささき」が就航しており、往復はセミスイートの客室を利用します。「さんふらわあ くれない」「さんふらわあ むささき」にはスイート専用のラウンジもあり、乗船中は自由にコーヒーなどの飲み物やアイスなどをいただけます。 また瀬戸内海を航海するので揺れもほとんどなく、明石海峡大橋、瀬戸大橋、来島海峡大橋の3つの橋を通過する、迫力満点の体験ができるのも魅力です。 いかがでしたか? クルーズ船さながらの船旅の旅情が味わえ、さらには温泉宿でゆっくりと滞在もできるいいとこどりのツアー。 次のお休みに合わせて出かけてみてはいかが?
<参考>
さんふらわあトラベル
訪れた地域をもっと知れる! 星野リゾートの温泉旅館「界」、最新施設4つを徹底レポート