ただ、日本の住宅事情を考えれば巨大化には限度があります。そこで、大きくするというだけにはしないところが平林さんの面白さです。そこから、「そうめんスライダー」は、まず、高いところから流す「タワーズロック そうめんアドベンチャー」へ。そうめんが滝の中から出てくるギミックなどは、高さがあってこそのアイデア。しかし、乾電池で動かすという制約上、モーターの力で水を上げる高さにも限界があります。すると、平林さんは、下から上に流れる「ビッグストリーム そうめんスライダー ギャラクシー」を作ってしまうのです。
「どれもちゃんと売れたのでありがたいです。ハワイ・モデルやラスベガス・モデル、ナイトプール・モデルなどは、メディアが取り上げてくださるので、そういったものも飛び道具的に出しつつ、ベーシックなモデルをしっかり売っていく感じですね」と平林さん。
「お花のギミックを開発会社さんが作ってきてくださったんですが、桜の花だったので、流しそうめん的にはどうかという感じで、それならばハイビスカス型にしてハワイにしようと思ったんです。コロナ禍で海外旅行になかなか行けない状況で、せめて気分だけでもと考えてハワイをテーマに製品化しました。そんな感じで、開発会社さんと二人三脚で作っています」
最初の「そうめんスライダー」から一緒に取り組んでいる開発会社さんとは、もはや家族のような関係で、上司には「お父さん」と呼ばれたりもしているのだそうだ。「もう娘みたいにかわいがられてますよ」と広報の有賀さんも教えてくれました。
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