島田佳奈の恋愛コラム

『離婚しようよ』錦戸亮で話題の“ダメ男”。「不幸になる」と分かっているのに沼ってしまうのはなぜ?

ダメ男に惹かれてしまう女性は少なくありません。「好きになったら不幸になる」、頭では分かっていても、そんなダメ男にハマってしまうのはなぜなのでしょうか。ハマらないようにするには、どうすればいいのでしょうか。

島田 佳奈

執筆者:島田 佳奈

恋愛ガイド

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「不幸になる」と分かっているのにダメ男にハマってしまう……

「不幸になる」と分かっているのにダメ男にハマってしまう……

「好きになったら不幸になる」と頭では分かっていても、“ダメ男”に惹かれてしまう女性は少なくありません。ダメ男にハマってしまうのはなぜなのでしょうか。また、ハマらないようにするには、どうすればいいのでしょうか。
 
<目次>
   

“理性のタガ”が外れるタイミングが原因?

旧約聖書『創世記』で禁断の実を食べ堕落してしまうアダムとイブのように、人間は「悪いと分かっていてもやめられない」といった複雑な心理を誰もが抱えています。

「ここで堕ちたら、後で大変なことになる」と理性でコントロールできるうちはブレーキをかけられますが、たまたま理不尽なことがあってヤケになったり、人生に絶望し自暴自棄になっているようなタイミングだと、理性のタガは簡単に外れてしまいます。ちまたの「不倫沼にハマってしまった」男女のほとんどは、惹かれる相手とタガの外れるタイミングがたまたま一致したのかもしれません。

「悪」と定義されるあらゆること(怠惰な生活や自暴自棄から軽微な犯罪、違法な薬物まで)を犯した際、我々が抱く「やってしまった」という感情には、焦りや罪悪感などに紛れ、何ともいえない高揚感(背徳感)が伴います。きっとあなたも一度くらい、味わったことがあるのではないでしょうか。

「悪」という定義も人間が決めたこと。人格が壊れる、死に至る、他人に迷惑がかかる、皆がやってしまえば国が(地球が)滅びてしまうなど「すべきではない」はっきりとした理由があるからこそ、法律などで「してはならない」とルール付けしているのです。

話を「ダメ男」に戻しましょう。ダメ男とは「だらしない」「女を食い物にする」「一緒にいると痛い目に遭う」など、女性側が定義した「パートナー向きじゃない」「恋愛対象にしてはならない」男性のこと。しかし、ダメ男に惹かれてしまう女性は少なくありません。

「好きになったら不幸になるだけ」と頭では分かっていても沼ってしまうのは、ダメ男ならではの「ダメな要素」が、見方を変えれば「大きな魅力」でもあるからです。
 

「隙」から生まれる「色気」に思わず惹かれてしまう

Netflixで話題になったドラマ『離婚しようよ』では、錦戸亮演じる自称アーティストの加納恭二が典型的な「ダメ男」でした。東大卒でありながらパチンコに明け暮れる生活、生活力はないけど、オスの色気と無邪気なスキンシップで女性をとりこにしてしまう……。恋人や伴侶には絶対したくないタイプですが、浮気や不倫など「刹那(せつな)の恋」というドラマの共演者としては申し分のない、エンターテイナーです。

「色気」とは、異性を性的に惹きつける魅力のこと。何をもって色気を感じるかは、その人の育ってきた環境や持って生まれた感覚などにより一概に決められるものではありません。例えばラフな髪形や無精ヒゲ、筋肉や血管や骨に現れる男っぽさに「男性特有のセクシーさ」を感じる女性は多いでしょう。

“真面目さ”と“色気”は対局にあります。男性も女性も、ラフな雰囲気を醸し出している人のほうがセクシーに見えるでしょう。色気は隙とワンセット。無意識のちょっとしたルーズさや、タブーを意識しない大胆さに遭遇したとき、人は思わずドキッとしてしまうのです。
 

一番の防御手段は常に「平常心」でいること

ダメ男という沼にハマってしまった当事者は、意外と不幸ではないのかもしれません。相手に貢いだり振り回されたり、第三者的な視点では決して幸せそうには見えなくても、本人が満足しているならば、どんなアドバイスも野暮というもの。

「やめておけばよかった」と実感するのは、ダメ男と別れ、これまでの愚行を客観視できるようになってから。しかし一時の刹那を「あの時は幸せだった」と思えるならば、それは決して愚行などではなく「思い出の貴重な1ぺージ」なのではないでしょうか。

今後、ダメ男にハマらないために、あなたができることはただ1つ。「今の生活」を選んできた自分に責任を持つこと。

仕事でも恋愛でも結婚でも、満足できないのは誰のせいでもありません。たとえ何らかの我慢や妥協が生じているとしても、それを選んだのはあなた自身。本当にイヤならば転職でも離婚でもすればいいし、そこにかけるエネルギーが足りなければ、気力や体力、経済力など必要なパワーが満ちるまで、ひたすら前を向いて進めばいいのです。脇見をせず進み続けることが、望みをかなえる最短コースです。

しかし、人間はそれほど強くはありません。イヤな現実から目を背けてしまうのも、逃げ道を探してしまうのも、誰もが持つ心の弱さからくるもの。理不尽な目に遭えば、生きる気力を失いがちになるでしょう。心が疲れ、一時でも現実逃避したくなるのは、むしろ正しい「死なないためのコントロール」ともいえます。そんなタイミングが、ダメ男にハマる「隙」。理性で排除できないほど心が弱っているから、ズブズブと堕ちてしまうのです。

話は逸れますが、心理学に「(ピンクの)象のことは考えるな」というものがあります。色はピンクでも青でもいいのですが、否定形を理解できない脳に「考えるな」と命じると、逆に意識して考えを巡らせてしまうのです。

その理論からいえば、「ダメ男にハマっちゃダメ」と言い聞かせるほどダメ男にハマる、というトラップを自分に仕掛けることになります(笑)。つまり、色気のある男や生活にルーズそうな男と出会っても、勝手に「ダメ男」とカテゴライズせず平常心で接することが、一番の防衛手段かもしれません。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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