夫婦関係

結婚してから「私は不幸だ…」と感じる人へ、84年に渡る追跡調査でひも解く幸福度アップのヒント(2ページ目)

「恋人・夫婦仲相談所」に寄せられる実際の夫婦問題を例にとりながら、ベストセラー書籍『グッド・ライフ』をひもときます。幸せ度アップのために、「夫婦間エクササイズ」が役に立ちます。

三松 真由美

執筆者:三松 真由美

夫婦関係ガイド

セックスレス4年、朝子さん(30代後半)の場合

セックスレスに悩む30代女性の事例

夫婦関係の相談は圧倒的に女性側からの相談……セックスレスも深い悩みのひとつ

「恋人・夫婦仲相談所」に寄せられる相談は、妻側からの相談が圧倒的多数を占めます。

夫側からの相談ももちろんあります。おおよそは、妻が子ども中心で自分を顧みてくれない、モラハラがひどい、とにかく仕切りたい妻にうんざりしている、節約を強要されるなどがあります。ただ、「それは理由があってそうなっているのだ」と解説をすれば納得する素直な男性が多いのも事実です。夫側からの不満理由は、具体的でストレートなものが多い印象です。

対して妻側からの夫への不満に関する相談は、夫が家に寄りつかなくなった、マウントを取り続ける、姑の味方をする、セックスレスに向き合ってくれないなど、一筋縄ではいかないケースが多くあります。複数の不満要因が幾重にも重なっている場合があるからです。筆者が専門にするセックスレス問題も根底には、セックス以外の別の理由が重なり合っています。

具体的に一組の夫婦のケースを見ていきます。
 

結婚当初から夕食も別々だった……

朝子さん(仮名・30代後半)の夫は中堅学習塾の事務の仕事をし、たまに授業も受け持っています。仕事柄、帰宅時間が遅いため、結婚当初から二人で夕食をとることが少なかったと言います。

一方、朝子さんは教材会社のデスクワーク仕事。決まった時間で規則正しい生活スタイル。当初、家事分担はできていましたが、4~5年前に夫の勤める塾がもう一箇所増えるため忙しくなるということで、家事の8割を朝子さんが担うことになりました。ほどなくして、家のことはすべて朝子さんに任され、多忙を極める夫とは、仕方なくメールで連絡を取り合う状態になります。

朝子さんはやがて「シェアハウスに住んでるみたいな夫婦」と感じ始めます。

数年前まで休日は二人で外出もする普通の夫婦でした。それが今では、休日になると夫はひたすら休みたいと自分の部屋にこもるようになります。そして、そろそろ子どもがほしいという重大な話題も、夫がゆっくり話す場を作ろうとせず、寝室は同じですがセックスレス期間が4年になりました。朝子さんは、特に喧嘩をするわけでもないけれど、強い孤独を感じていると相談に来ました。
 

「あやしいことをするな」と夫

筆者の「友人と会ったり、一人でも楽しめる何かを見つけて」というアドバイスを聞き、以前から興味のあった占い師の養成講座に通いはじめました。すると、夫に「あやしいことをするな」と止められるはめに。

寂しさを埋めようと、何かやり始めたら横やりが入る。かといって、朝子さんに向き合ってくれようとはしない夫。実家の母に相談するも「お父さんもそうだったし浮気しないだけまし」と慰められるだけという行き場がない状況になってしまいました。

シェアハウスのような家に夜一人でいると「このまま、子どももいないままおばあちゃんになるのかな」と涙が出るようになりました。頭痛が増え、朝、電車に乗るのがつらい日が増えたと涙ぐみます。

朝子さんに「幸せですか?」と質問したら「いいえ」と答えるでしょう。パートナーに働きかけても暖簾に腕押し。外に出て自分を変えようとすると阻止される。家族を増やそうという将来設計もあきらめざるをえない。この状態が変わらないまま、年を重ねていくと思うと決して健康で幸せな結婚生活とはいえません。

>朝子さんの問題を解決するヒントとは?
 
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