自分の「性」への欲求を恥じる女性もいる
かつては言い争いもした
「ここ数年、夫とはずっと仲がいいんですよ。友だちというか人生の相棒みたいな感じになってきた」そう言うのは、トモカさん(48歳)だ。28歳のときに結婚し、高校生と中学生の子どもたちがいる。それぞれ会社員として共働きをしながら子どもを育ててきたが、10年前、夫は体を壊して退職。現在はフリーランスとして仕事をしている。会社員として働き続けるトモカさんのほうが時間的に融通が利かないため、夫の家事負担は多めだ。
「子どもが小さいころは、忙しすぎてレスなんて考えたこともなかった。実は夫は病気のためにセックスができないんです。そうなって初めて、ちょっと焦りましたね。私の“オンナ”がこのまま終息してしまっていいんだろうかと悩みもしました。だからといって夫にしてくれと迫るわけにもいかない」
夫も負い目があったのか自身の身の上に落胆したのか、病後の一時期は心を閉ざしたかのように見えた。
病気の夫に性を求めている自分
元気であってくれればいいと思っていたのに、体が回復したら今度は性を求めている自分がいる。トモカさんもまた、自身の身勝手さを恥じていた。お互いに自分を責めたことによって、相手と心がつながらなくなってしまったのだ。「ギクシャクした関係が1年近く続いたんですよね。私はやたらと残業を多くしたりして、家に早く帰らないようにもしていた。ある日、上の娘が私たちに『どうなってるの、この家。親がしっかりしてくれないと困るんだけど』って非難したんですよ。中学に入ったばかりのころだったと思います。それを聞いてハッとして……。情けないですよね、何が大事なのか忘れかけていたんです」
娘の言葉を受けて、ふたりは顔を見合わせた。お互いに「親」の顔をしていたと思うとトモカさんは言う。
>夫からの「ある提案」を受けて妻は