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逆に電気代が上がる? 節電にならないエアコンNG使用法【家電のプロが解説】

真夏日や猛暑日が続く上に、電気代の高騰も止まらない昨今。エアコンの電気代を節約するために工夫を凝らしている人も多いかと思いますが、間違った方法を実践している場合も少なくありません。今回は、節電にならないエアコンのNG行為を5つ紹介します。

安蔵 靖志

執筆者:安蔵 靖志

デジタル・家電ガイド

真夏日や猛暑日が続く上に、電気代の上昇も止まらない昨今。家庭内の家電の中でも消費電力量が多いエアコンをどうにかして節約したいと、工夫を凝らして使用している人も多いかと思います。
かえって電気代がかかってしまう「NG行為」、していませんか?

かえって電気代がかかってしまう「NG行為」、していませんか?

ですが、かえって電力を多く消費してしまうような、間違った工夫をしている場合も少なくありません。そこで今回は、「節電にならないエアコンのNG使用法」を紹介しましょう。
 

NG使用法1. 「風量『弱』で運転する」

節電になりそうな「弱」だが、電力を多く消費してしまう

節電になりそうな「弱」だが、電力を多く消費してしまう

風量を弱めた方が省エネになりそうなイメージがありますが、そんなことはありません。

現在国内で販売されているエアコンの100%が、必要に応じてモーターの回転数をコントロールできるインバーターを搭載しています。運転開始時にはフル回転して消費電力が上がるものの、設定温度に達すると回転数を弱めて省エネになる仕組みです。風量を「自動」にしておけば、設定温度に達するまで自動的に風を強めて運転してくれるのですが、「弱」や「微風」などにしてしまうと、設定温度に達する時間が伸びてしまいます。それによって、逆に消費電力が上がってしまう可能性があるのです。

風が弱いために快適性が損なわれるだけでなく、省エネにもつながらないため、風量は「自動」にしましょう。
 

NG使用法2. 「『冷房』ではなく『除湿』運転にする」

「冷房運転よりも除湿運転の方が消費電力が低い」というのは確かです。しかし快適性という意味ではその限りではありません。

冷房運転は「室温を下げる」のが目的で、結果的に湿度も下がります。一方、除湿運転は「弱冷房除湿」と呼ばれており、「湿度を下げる」のが目的で、結果的に室温を下げています。ただし、室温は冷房よりも下がりにくいため、猛暑日などの特に暑い日にはいくら運転し続けても快適にならない危険性があります。

快適さと省エネ性のバランスを取るためには、「冷房」や「除湿」を選ぶのではなく、「自動」を選ぶのが最適です。温度を設定して自動運転を選べば、エアコンが冷房と除湿から最適なモードを選び、快適性を損なわずに省エネ運転をしてくれます。結局は運転モードも風量も全て「自動」にするのが一番いいのです。
 

NG使用法3. 「こまめに電源をオン・オフにする」

こまめなオン・オフが多くの電力消費につながる恐れも

こまめなオン・オフが多くの電力消費につながる恐れも

エアコンは運転開始時に多くの電力を消費し、設定温度に達すると消費電力が下がります。しかしこまめに電源をオン・オフすると、オフにした後に室温が上がってしまいます。再度オンにした際には、またフルパワーで電力を使う可能性があるので、あまりこまめにオン・オフしない方がいいでしょう。

ダイキン工業がおこなった「真夏に30分間隔でこまめにオン・オフを繰り返す」実験では「日中は35分まで、夜は18分までの外出ならつけっぱなしがお得」という結果になったそうです(※1)。 この実験では消費電力のみを比較しており、快適性は考慮していません。こまめにオン・オフすることで室温が上がってしまい、その都度快適性が損なわれてしまうので、バランスも踏まえながらオン・オフするタイミングを考えるといいでしょう。
 

NG使用法4.「風を下に向けて部屋にいる人を直接冷やす」

風向を調節するルーバーを下に向けることで人を直接冷やせば省エネにつながりそうと考える人もいるかもしれませんが、間違いです。

暖かい空気は上に、冷たい空気は下に向かう性質があるため、冷たい空気を下に向けて送ると室内の空気がうまく循環せず、温度ムラが生じてしまいます。 そうなってしまうと、エアコンの室内機に設置された温度センサーが「室温が設定温度に達していない」と判断してしまい、パワフルに運転し続けてしまう可能性があります。風向きは基本的に上(水平方向)に向けるか、自動に設定しておきましょう。
 

NG使用法5. 「室外機を水で冷やしたり、カバーで覆う」

カバーを付ける場合は、吹き出し口をふさがないようにしましょう

カバーを付ける場合は、吹き出し口をふさがないようにしましょう

室外機が熱くなりすぎると冷却効率が下がってしまうのは確かですが、室外機を水で冷やしたり、カバーで覆ったりするのはNGです。

室外機は雨風にさらされても大丈夫なように設計されていますが、横から水をかけるようなことは想定されていません。故障する可能性があるため、メーカーも非推奨としています。また、室外機をカバーで覆うと、室外機から風が出にくくなってしまい、運転効率が下がる危険性があります。絶対にやらないようにしましょう。 ただし、室外機の吹き出し口をふさがない形でよしずや日よけを設置し、直射日光を避けるのは効果があります。また、室外機の周りに水をまくのも効果的です。 
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「長期間使わないときは電源プラグを抜く」は実は効果アリ!

電源プラグを抜くことにはわずかなものの効果がある

電源プラグを抜くことにはわずかなものの効果がある

併せて、「実は効果のある節電ワザ」も紹介しましょう。

意味がないと思っている人も多いかもしれませんが、「長時間使わないときは電源プラグを抜く」は実は効果があります。

エアコンの電源プラグをコンセントに挿していると、わずかながら待機電力を消費します。資源エネルギー庁 省エネルギー対策課の「平成24年度エネルギー使用合理化促進基盤整備事業(待機時消費電力調査)報告書」によると、エアコンの待機時消費電力は1.74W(家庭で所有されている主要機器(ストックベース))です(※2)。 電気代の目安は1日あたり約1.3円(1kWhあたり31円で計算)なので、半年抜いておいても約233円の節約にしかなりませんが、長期間使わない場合は電源プラグを抜いておくのも一定の効果はあるといえるでしょう。

※1:エアコンの電気代「つけっぱなし」と「こまめに入り切り」 冷房で節電なのはどちら? ※2:平成24年度エネルギー使用合理化促進基盤整備事業(待機時消費電力調査)報告書概要
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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