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インデックス投資の落とし穴

先日、こんな質問をいただきました。「インデックス投資をしています。いまのところ好調なのですが、積立投資をしているだけなので『何か弱点や落とし穴があるのでは?』と心配です。気をつけるべきことは、何かありますか?」今回は、この質問にお答えします。

中原 良太

執筆者:中原 良太

エビデンスに基づく資産活用&マネープランガイド

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先日、こんな質問をいただきました。

「インデックス投資をしています。いまのところ好調なのですが、積立投資をしているだけなので『何か弱点や落とし穴があるのでは?』と心配です。気をつけるべきことは、何かありますか?」

今回は、この質問にお答えします。

そもそも:インデックス投資とは?

本題へ移る前に。そもそも「インデックス投資って何?」と思う人もいるでしょう。まずは、ここから説明します。

インデックス投資というのは、インデックス(=指数)に連動する投資信託(ファンド)に投資する投資法です。

たとえば、日本株の主要指数である「TOPIX(東証株価指数)」や「日経平均株価」に連動する投資信託(インデックスファンド)をコツコツ買い続けます。

やることはそれだけ。いちど投資先を決めてしまえば、貯金感覚でできますし、時間もかかりません。仕事が忙しい方や、投資のためにあまり時間を割けない方でも、無理なく続けられるのが利点です。

経験的にも、インデックス投資の成績はとても良いです。ここ数十年だけでも「インデックス投資はプロよりも成績が良かった!」という結果も出ています。投資の腕にあまり自信がない人は、とりあえずインデックス投資から始めるのがオススメです。

インデックス投資の落とし穴

とはいえ、インデックス投資も万能ではありません。「インデックス投資家を利用して儲けよう」と考える人も多く、弱点や落とし穴もあります。

たとえば、インデックス投資には「先回りされやすい」という落とし穴があります。

インデックス投資をしている人の多くが「給料日直後に投資信託を買う」というように、給料日に買い付けがちです。給料日直後はサイフが潤っていて、投資信託を買いやすいからです。

これを利用するとしたら、たとえば、「給料日の直前に株を買って、直後に株を売る」というように投資信託を売買すると、積立投資をしている投資家たちが買う前に「安く買って」、彼らが買うときに「高く売りつける」ことができそうです。

もちろん、現実がこのとおりに動くとはかぎりません。しかし、少なくとも歴史を振り返ると、「月末には株価指数が上がりやすい」という経験則があります。

積立投資している人を「利用して儲けよう」とする投資家はたくさんいますから、なるべく、彼らに出し抜かれないように「先回りされやすそうな買い方をしない」ように気をつけたほうがよいでしょう。

【参考文献】
論文:John J. McConnell and Wei Xu, 2008, “Equity Returns at the Turn of the Month”, Financial Analysts Journal, 64(2), pp. 49-64

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インデックス投資で知らないと損すること
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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