Q. コーヒーを飲むとトイレが近くなる気がします。実際にそうなのでしょうか?
コーヒーを飲んだときにトイレが近くなるのはなぜ?
コーヒーを飲むと、水や麦茶を飲んだときよりもトイレが近くなると感じませんか? 同じ量の水分なら、トイレに行く回数も変わらないように思うかもしれませんが、実際には違います。コーヒーで頻尿になることはあるのか、わかりやすく解説します。
「Q. 「仕事先で、よくコーヒーを出されるのですが、コーヒーを飲むと何度もトイレに行きたくなってしまいます。コーヒーが原因で、トイレが近くなるのでしょうか?」
A. コーヒーと尿意には関係があります。カフェインが腎臓の血流量を増やすからです。
コーヒーを飲むとトイレが近くなるのは本当です。理由について解説してみましょう。ご存じの通り、尿は腎臓で作られます。腎臓には毎分1リットルくらいの血液が流れ込んでおり、これは心臓から拍出される血液量のおよそ20%に相当する量です。この血液が、腎臓の「糸球体」というところでろ過され、尿の元になる「原尿」が作られます。通常の成人が1日に作る原尿の量は200リットル近くです。ただし、このすべてが最終的な尿として体外へ排せつされるわけではありません。血液がろ過されただけの原尿には、老廃物だけでなく、本来は体に必要な水やミネラル分、糖分、アミノ酸などをたくさん含んでいます。そのため、それらの必要なものは「再吸収」という仕組みによって、尿細管から体の方へと戻されます。最終的に尿として排せつされるのは、原尿の1%程度の1日に2リットルくらいの量です。
尿はこのような仕組みで作られるため、腎臓に流れ込む血液量が増えるほど、尿の生成量も増えるということになります。
水を飲んだときはその分だけ血液量が増えて尿も増えることになりますが、コーヒーを飲んだときは、水分だけではなく、コーヒーに含まれる「カフェイン」という成分の効果が加わります。カフェインには、脳を興奮させる効果がありますので、眠気覚ましや集中力をアップさせたいときにコーヒーを飲む方も多いでしょう。一方であまり知られていないかもしれませんが、カフェインには、心臓の収縮力をアップさせたり、腎臓の血管を拡張させたりする作用もあります。その結果、コーヒーを飲むことで腎臓の血流量が増え、尿の生成が促されることになります。コーヒーを飲むことですぐに膀胱に尿が溜まり、何度もトイレに行きたくなるのはこのためです。