Q. 水の飲みすぎは体に悪いのでしょうか?
水はたくさん飲んでも害はない? その考え方は間違いです
Q.「水は毎日2リットルは飲んだ方がいいと聞いて、のどが渇いていなくても意識的に飲むようにしていましたが、腎臓に悪いから飲みすぎもよくないという話を聞きました。どちらが本当なのでしょうか?」
A. 水分の過剰摂取は体に悪いです。体の水分量は一定に保ちましょう
私たちの体を守るために水分補給は大切ですが、水分は多くとるほどいいというものではありません。「体内の“老廃物”を流すために、なるべくたくさん水を飲みましょう」といったアドバイスを見かけることがありますが、これは誤りです。水は無害に思えるかもしれませんが、水分をとり過ぎると、それを処理する腎臓の仕事量が増え、負担になります。腎臓の処理能力を超えると、余分な水分が体内にたまってしまい、それによって血液量が増えて高血圧を生じます。体内でたくさんの血液を循環させなくてはならなくなり、心臓にも負担がかかります。ひどい場合には血液が薄くなってしまう「低ナトリウム血症」が引き起こされ、意識障害が発生する危険性もあります。
ですから、水分補給する量は「排尿や発汗などで体から出ていく分を補う程度」にするべきで、「過剰な水分の摂取を控える」ように心がけることも健康のために大切です。
摂取すべき水分の量は、季節だけでなく、それぞれの人の体の大きさや活動量によっても変わります。一概に同じ量が必要なわけではありませんし、また、水は一気飲みしても体にうまく吸収されませんから、のどが渇いたと感じたタイミングにあわせてその都度飲むことが重要です。
のどの渇きや、もう飲みたくないといった「センサー」の感覚を意識して、体の水分量を一定に保っていきましょう。