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「iOS 17」対象外となった「iPhone 8」はいつまで使える? セキュリティアップデートがあるから大丈夫は本当なのか

2023年の新しいiOS「iOS 17」で、ついに「iPhone 8」「iPhone X」がアップデートの対象外となりました。OSがアップデートできなくなると新しい機能が使えないだけでなく、セキュリティに関する問題も出てきますが、一方でアップルは古いiOSにもセキュリティアップデートを提供しています。iPhone 8やiPhone Xはいつまで使えると考えればいいのでしょうか。

佐野 正弘

執筆者:佐野 正弘

携帯電話・スマートフォンガイド

iOS17とiPhone 8

新しい「iOS 17」は電話アプリの大幅なアップデートに加え、機械学習技術を、より快適なコミュニケーションのためにフル活用しているのがポイントだ

アップルは米国時間の2023年6月5日に開発者イベント「WWDC 2023」を開始し、iPhone向けのOS「iOS」の新バージョン、「iOS 17」を発表しました。

iOS 17は「電話」アプリの大幅なリニューアルに加え、現在のAIの中心となっている機械学習技術をフル活用し、留守番電話を文字起こしする「ライブ留守番電話」や、その日の出来事から日記に書くことを提案してくれる「ジャーナル」など、コミュニケーション関連機能の大幅なパワーアップを図っているのが特徴となっています。

「iPhone 8」「iPhone 8 Plus」「iPhone X」の3機種がアップデート対象外に、その理由は

一方で、そのiOS 17を巡ってユーザーをざわつかせる出来事もありました。それはiOS 17のアップデート対象から「iPhone 8」が外れたことです。正確にはiPhone 8のほかに大画面モデルの「iPhone 8 Plus」、そして初めてFace IDを搭載した「iPhone X」がアップデート対象外となっています。
これまで長きにわたってOSアップデートに対応してきた「iPhone 8」シリーズだが、iOS 17ではついに対象外となってしまった

これまで長きにわたってOSアップデートに対応してきた「iPhone 8」シリーズだが、iOS 17ではついに対象外となってしまった

なぜこれら3機種がアップデート対象から外れたのかというと、やはりiOS 17で機械学習処理を多く用いた機能が増えているからではないかと考えられます。アップデート対象から外れた3機種に搭載されているチップセットが「A11 Bionic」で、これは機械学習処理を高速でこなす「Neural Engine」を搭載した初のチップセットです。

A11 Bionicが搭載された機種が発売されたのは2017年で、既に6年近く経過しており、最新の「iPhone 14」シリーズに搭載されている「A15 Bionic」「A16 Bionic」と比べれば性能が低いのも確か。それだけに機械学習技術を活用した新たな機能を搭載する上で、A11 Bionicでは性能が足りないのでアップデートの対象から外れたのではないでしょうか。

とりわけiPhone 8は長らくOSアップデート対象機種であり、中古市場でもいまだに安定した価格で流通している人気の高い機種でもありました。それだけに、アップデート対象外となったことにショックを覚えた人も少なくないかと思われます。
 

セキュリティアップデートがあれば安心?

iPhone 8ユーザーが気するのは、いつまでiPhone 8を安心して使い続けられるのか? ということではないでしょうか。確かにiOS 17のアップデート対象からは外れてしまいましたが、現在のiOSの最新版である「iOS 16.5」へのアップデートは可能です。

またアップルは、OSのメジャーアップデートが終了した機種に対してもセキュリティアップデートを提供することが多いようです。実際2023年5月には、現在の1つ前のバージョンとなる「iOS 15」向けのセキュリティアップデート「iOS 15.7.6」を配信していますし、2023年1月には更に前のバージョンとなる「iOS 12」向けのセキュリティアップデート「iOS 12.5.7」も配信しています。
iOS17とiPhone 8

アップルのWebサイトより。アップルは古いOSのセキュリティアップデートを継続的に提供しており、2023年1月にも「iOS 12」の新たなセキュリティアップデートが提供されている


iOS 12は2013年発売の「iPhone 5s」も対象となっていることから、アップルは10年近く前の機種もセキュリティを担保してきたことが分かります。
 

アップデート対象外のiPhoneをおすすめしない理由

iOS17とiPhone 8

iOS 12は2013年発売の「iPhone 5s」もサポートしており、10年近く前のiPhoneのセキュリティアップデートも実施されていることとなる

「だったらiPhone 8も、2027年くらいまで使い続けて問題ないのでは?」と思う人が多くいるかもしれませんが、正直な所そこまで長く使う事を筆者はおすすめしません。

・非対応アプリが出てくる
大きな理由の1つは、古いOSはアプリがサポートしないケースが増えてくることです。

いくらiPhone自体を長く使えても、普段使用しているアプリが使えなくなってしまえば使い道が狭まってしまいますし、仮に古いOSで利用できたとしても、今提供されているアプリは最近のiPhoneを対象に開発されていることから、動作が重く快適に操作できないケースも増えてくることが予想されます。

スマートフォンやアプリは年々進化しているだけに、さまざまなアプリやサービスを快適に利用する上でも新しいOSにアップデートできる機種に買い替えた方がいいのです。

・今後もセキュリティアップデートを提供するとは限らない
そしてもう1つの理由は、今後もアップルが旧機種のセキュリティアップデートを提供するとは限らないことです。iPhoneはAndroidスマートフォンと比べれば長くアップデートしてくれる傾向にあることは確かですが、そもそもアップルはOSのアップデート保証期間を明確にしていません。

それゆえ古いOSのセキュリティアップデートを将来にわたって保証してくれる訳ではなく、古いiPhoneを使い続けているうちに、気が付けばセキュリティアップデートが配布されておらず、いつの間にかセキュリティリスクにさらされてしまった……という可能性も十分あり得ます。そうした事態に至らないためにも、一定期間での買い替えをする必要があるのです。
 

アップデート対象外となったら可能な限り買い替えを

では、アップデート対象がとなったiPhoneをいつ買い換えたらいいのか?といいますと、筆者としてはやはりiOSのメジャーアップデート対象外となった時点での買い替えをおすすめします。メジャーアップデートがなされなくなった機種はハード面でも性能が低くなっているので、セキュリティの問題だけでなく今後快適に使い続けられなくなる可能性が高いからです。

もちろん現在のように、円安でiPhoneが大幅に値上がりし、非常に高く買いづらくなってしまっている状況下では、買い替えを控えたいという気持ちも分からないではありません。ですがアップルは新機種発売後も一部の旧機種を継続販売することが多く、型落ちの機種であればある程度安く買うことができます。

「それでも高い」というのであれば中古のiPhoneを選ぶ手もありますし、「中古が不安」というのであれば、Apple Storeや携帯4社のショップから新品を購入することで分割払いが利用できます。また「NTTドコモ」「au」など携帯4社のメインブランドであれば、分割払いで購入した後一定期間後に端末を返却することで、残債の支払いが不要、あるいは安価になる、いわゆる「端末購入プログラム」を利用して安価に使うことも可能です。

iPhoneもネットワークにつながるIT機器の1つだけに、同じ機種を10年、20年と使い続けるのは困難なもの。安心かつ快適に利用する上でも、やはり定期的に買い替えることを強くおすすめします。

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※機種やOSのバージョンによって画面表示、操作方法が異なる可能性があります。

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