Q. 「サプリメントは肝臓に悪い」「飲み過ぎは体に悪い」って本当ですか?
健康のために飲んでいる人も多いサプリメント。安全性と注意点は?
サプリメントの愛用者は多いと思いますが、一方でサプリメントは肝臓に悪いのではないか、腎臓に負担をかけるのではないかと気になっている方もいるようです。わかりやすく解説します。
Q. 「『サプリメントは肝臓に悪いから、飲まない方が体によい』と聞きました。実際に肝臓や腎臓に負担がかかるのでしょうか? 健康のために飲もうと思っていましたが、体に悪いかもしれないなら、飲まない方がいいのでしょうか?」
A. 製品や使い方によっては注意が必要。もともと肝臓・腎臓が悪い場合、死亡例も
サプリメントは「栄養補助食品」とも呼ばれ、ビタミンやミネラル、アミノ酸などの栄養摂取を補うために使われます。しかし日常的な食事で栄養が足りている人にとっては、必要のないものです。病気の予防効果や治療効果をほのめかすような製品も目にしますが、サプリメントはあくまで食品の一種であり、薬ではありませんから、特別な効果を期待してはいけません(※薬のような効果をうたっている場合、違法の可能性もあります)。また、多くの方が「自然の食べ物は体に優しい」「自然由来の成分だから体に良い」と思いがちですが、それは間違いです。どんな食べ物を口にしても、その成分は消化・吸収された後、肝臓で代謝されたり、腎臓から尿中に排泄されたりします。つまり、何らかの形で肝臓や腎臓には負担がかかります。
医薬品の場合は、肝臓や腎臓にどれくらい負担がかかるかを事前にテストして、安全性が明らかになったものしか使用が認められません。ですから、既に発売されている医薬品の使用で、不測の事態が起こるようなケースは稀です。一方でサプリメントの場合は、医薬品ほどの厳しい安全性試験が義務付けられていません。製品によっては安全性のテストも十分になされておらず、使用した際に何が起こるか明らかでないという心配もあります。
たとえば、肝臓を強くするようなイメージでウコンのサプリメントを愛用している方もいるかもしれません。しかし、もともと肝臓に問題がある方がウコンを摂取すると、肝臓に余計な負担がかかってしまい、肝臓をいたわるはずが、逆に肝障害を引き起こすこともあります。死亡例の報告もあります。
すべてのサプリメントが一概に危険で体に悪いというわけではありません。しかし、肝臓などに負担をかけることと、安全性のテストが十分でない製品が散見されるのも事実です。宣伝文句を鵜呑みにして、安全性のはっきりしないような製品を摂取するのは少し注意した方がいいでしょう。肝臓や腎臓が悪い方には、そもそもおすすめできません。