今回はそんな筆者がおすすめする、iPhoneで無料で使えるメモ・ノートアプリについてご紹介します。機能をフルで使うには一部有料のものもありますが、まずは無料で試せるので、ぜひご自身の使い方にピッタリのものを見つけてみてください。
メモ.app
Appleデバイスに標準でインストールされている「メモ.app」
「メモ.app」は、Appleが提供しているメモアプリです。iPhone・iPad・Macなど、Appleデバイスには標準でインストールされています。
機能面での便利さが非常に高いため、さまざまな用途で利用できます。
■「メモ.app」の良いところ
・各種デバイスで同じデータを取り扱える
iCloudアカウントにひも付けることで、Apple系のあらゆるデバイスでシームレスに利用できます。
同じデータをどのデバイスでも同期して使えるので、「家ではMacで執筆して、外ではiPadで執筆」というように、シーンに合わせてデバイスを使い分けることができます。
・iPadで手書きメモを同じノートに描ける
「メモ.app」では、手書きのメモも書き残すことができます。また、テキストのメモと手書きのメモを、同じノートに共存させることが可能。テキストに加えて、イラストや記号などでメモを残したいときなどに活用できます。
・フォルダとタグで管理できる
「メモ.app」で作成したノートは、フォルダとタグで管理できます。
フォルダはカテゴリのような役割のことを指し、階層構造をもって整理できます。
タグはそのノートの属性を表すもので、1つのノートに複数のタグを付けることができます。
この2つの機能が使えることで「複雑になりすぎないけど、煩雑にもなりすぎない」という、ちょうどいいバランスでメモを管理できます。
■「メモ.app」のちょっと残念なところ
デザインに目立った特徴がなく、書いていてもあまりわくわくしないことが難点といえるでしょう。また、特定の記号や文字をいれることで、テキストを修飾できる「マークダウン記法」にも完全対応していないことも残念です。
箇条書きやリンク、表の挿入、見出しなどは使えますが、引用文を作成したり、文字の色を変えたりすることはできないので、抑揚のないプレーンなテキストになりやすいでしょう。
■「メモ.app」の総評
必要な機能がそろっていて、日常的に使うには非常に便利なアプリです。
筆者も、他のノートアプリを巡り巡ってきましたが「これが無難に使いやすいんだよなぁ」と愛用するようになりました。
ただ、デザインの部分には納得しておらず、結局他のメモアプリに移行してしまいました。安定性を重要視するなら、非常に優れたアプリといえるでしょう。
Bear
クマのアイコンが特徴的なノートアプリ「Bear」
>「Bear」のDLはこちら
■「Bear」の良いところ 「Bear」のアプリは一見シンプルですが、洗練されたおしゃれなデザインが特徴的です。筆者も「Bear」のデザインを好んでおり、このアプリを使ってテキストを書いている時間は、本当に楽しいです。
マークダウン記法にも対応しており、ノートにメリハリや抑揚を付けることができるので、後から振り返るときも確認しやすいです。
デザインのテーマがいろいろと用意されているので「ちょっとデザインされたノート」を、誰でも簡単に作ることができるのはうれしいポイントですよね。
「テーマの変更」「iPhone・iPad・Macでのデータの同期」といった機能は、有料プランに入らないと使えませんが、月額150円と非常にリーズナブルな点もうれしいところです。
■「Bear」のちょっと残念なところ
ノートをタグでしか管理できない点は、個人的には大きなマイナスポイントでした。タグに階層構造を作れるものの、フォルダとは役割が異なるので、ノートの整理がしづらい印象です。
特に、タグを利用する際は、必ずノートの中にタグを記載しなければならないのがデメリットです。「Bear」で作った原稿をブログやサイト作成するツール「WordPress」や文章やマンガ、写真、音声を投稿できるプラットフォームの「note」にコピペすると、このタグのテキストまでも転記されてしまうので、いちいち処理する手間が増えてしまいます。
また、「iPadでちょっと手書きのメモを取りたい」といった用途で使うには、少し不便に感じてしまう部分があるかもしれません。「Bear」はテキストによるメモ・ノート作成に特化したアプリと割り切ったほうが良いでしょう。
■「Bear」の総評
「Bear」は、愛用していた期間も長いので個人的に愛着のあるアプリです。デザインテーマを変えられるので、飽きずに長く使っていられます。
作成したメモの管理・整理が苦手なアプリではありますが、「書く」ということにフォーカスしてみたら非常に優秀です。
「メモ」や「情報管理」として使うのではなく、「執筆用ツール」として割り切って使用することに向いているでしょう。
Evernote
改善・改良を重ねて非常に使いやすくなった「Evernote」
昔は「身の回りのものをなんでも保存できる自分用データベース」といった意味合いが強い印象がありましたが、改善改良を重ねた結果、ノート・テキストエディタアプリとしても、非常に使いやすくなりました。
>「Evernote」のDLはこちら
■「Evernote」の良いところ ノートを「ノートブック」というファイルでまとめたり、「タグ」という付箋を付けたりと、作成したノートを非常に管理しやすいのがうれしいポイントです。
また、検索機能も大変優れているので、作成したノートやメモを適当に保存しておいても、あとから検索で簡単に引っ張り出せます。整理整頓に余計な時間が取られません。
また、メモの保存方法・保存形式に限りがないのも特徴的。
マークダウン記法に対応しており、文字装飾のほかに、表組み・区切り線・コードブロック・手書きメモなどなど、いろいろな形でノートを作成できます。
さらに、気になったWebサイトのクリップ、録音した音声ファイル、画像、PDF、など、保存できるファイル形式もさまざま。保存した画像やPDFに注釈を入れたり、PDFの中に書かれたテキストを検索対象にできたりもします。
「気になるもの、面白かったものは、とりあえずEvernoteに取り込んでおく」というラフで大ざっぱな使い方ができるので、メモを残していくことが楽しくなるサービスです。
■「Evernote」のちょっと残念なところ
「Evernote」は無料プランでも十分優秀ですが、全ての機能を本格的に使いたい場合は有料プランへの移行が必要になります。
無料プランだと、「同期できる端末が2台まで」「ノート1つに保存できるデータ容量の上限」「1カ月に作れるノートのデータ容量の上限」「カレンダー・タスク機能の制限」などなど、制限されるものが多いです。
「Evernote」の機能を全て使いたい方は、月額1,100円(2023年5月31日時点)が必要です。そのため「Bear」などの他のアプリに比べると高額なので、ためらってしまう人も多いかもしれません。
ただ、ノートアプリとして最低限の機能を使う分には、無料プランでも十分です。気になる方は、まずは使ってみることがおすすめです。
■「Evernote」の総評
筆者が現在愛用しているのが、こちらの「Evernote」です。
昔はテキストエディタ機能が非常に使いにくく、ノートアプリとして使いこなすことができなかったことから「メモ.app」や「Bear」を愛用していた経緯があります。
しかしアップデートを重ねた結果、テキストエディタアプリとしても非常に使いやすくなり、いまではノートアプリとして大活躍しています。
複雑すぎず、かといってシンプルすぎず。非常にいい塩梅で、隙のないアプリだと思います。筆者のイチオシアプリなので、気になる方はぜひ試してみてください。