「言ってくれれば手伝う」が意味するところとは?
「手伝う」って何?
長年気になっていることがあると言うのは、ユミさん(38歳)だ。同い年の夫との間に、6歳と3歳の子がいる。ユミさんはコロナ禍を機に週2回の出社となり、あとの3日は在宅で仕事をしている。「子どもたちを保育園に送って、出社するか家で仕事をするか。出社日が減ったため通勤時間がかからなくなった分、楽ではあるんですが、夫はそれを週に2回しか仕事をしていないと捉えている節があるんですよね。家で仕事をしているのはわかっているはずなのに」
家にいる時間が長いのだから、以前のように協力しなくてもいいんじゃないか。夫の心の中にそういう考えが生まれているようだと彼女は言う。
「以前なら、保育園のお迎えや食事のことなど毎日連絡しあっていたのに、今は私が在宅の日は自分は飲んで深夜にならないと帰らなかったりもする。会社でする仕事を家でしているだけで仕事の量が減ったわけではない。むしろ増えています。それを何度も伝えているのに『出社しなくていいだけ羨ましい』って」
帰宅後、家事に育児に追われているユミさんに向かって、「今日は家にいたんでしょ。どうしてゴミがこんなにあるの?」と言い出す夫に、彼女はキレた。
「家にいたって家事する時間が確保できているわけではない。あなたは以前より家事をしなくなっているしね、と言ってやりました。すると夫は『なんか手伝おうか』と。手伝うって何よとよけい頭に来てしまいました。私が家事を担うべきだと思っているからこそ、『手伝う』という表現が出てくる。自分もするべきだと思っているなら、手伝うとは言わないよねと言ったら、『ああ、めんどくせえなあ』ですって」
誰だってめんどうな家事などしないですめばしたくはない。だが、しなければ家庭生活は回っていかない。率先してやるべきはずの夫が「手伝う」という意識でいる限り、妻の負担は増えていく。
>家事分担の話し合いすらしてくれない夫