亀山早苗の恋愛コラム

結婚をめぐる女同士の「マウント合戦」に私は敗れた?ある日届いた結婚報告に驚愕メッセージ(2ページ目)

結婚式場を予約したすぐ後で、彼の浮気が発覚。隠れて会っていた女性が妊娠したという……。ひとりの男性をめぐる「マウント合戦」の勝者は、果たして。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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彼女の勝ち誇ったような「お知らせ」

その後、彼は未練がましく何度も連絡してきたが、タカミさんは取り合わなかった。

「大事なのは初動だと思うんです。彼女との浮気だか本気だか知らないけど関係が私にわかったとき、彼は正面切って話し合おうとしなかった。私はそこがいちばん腹立たしかったのに、彼はそれを理解していない。だから『私にとって、あなたはもう大事な人ではなくなった。私は別れたと思ってる』とメッセージを送りました」

それから半年ほどたった今年の春、写真付きのはがきが届いた。彼とエリさんの連名の「私たち、結婚しました!」というお知らせだ。

「そこに『やっぱり新鮮なほうがいいんでしょうね、何でも』と書いてあった。彼の文字ではない。エリが書いたんでしょう。いかにも若い女らしいヘンテコな文字でした。彼は私と同い年ですが、彼女は一回り下なんです。ただ、その文言や結婚式の写真を見ても、私はほとんど何も感じなかった。だから年末年始に旅をしたフランスの写真を印刷して絵はがきを作り、彼女宛に送ったんです。『不要品を片付けたので気持ちが楽になりました。のんびりパリを楽しんでいます』と」

それにしても彼はずいぶん短い付き合いで一回り下の女性と結婚したようだ。タカミさんに去られ、もうエリさんと結婚するしかない状態だったのだろう。

「私と決めた結婚式場を延期という形にしていたみたいですね。それで延期しきれなくなって彼女と結婚したんじゃないかと共通の友人が言っていました。『あいつは本当はタカミと結婚したがってたよ』と言ってくれた人もいた。一方で、意地を張らずに彼を許してあげればよかったのにと言う声もありました。でも私は本当に彼を『もういらない』と思ったんです。意地で別れたわけではない。むしろ彼のほうが意地でエリと結婚したんじゃないかと思っています」

そしてエリさんは勝ったと思っているのだろうか。これもまた彼とタカミさんの共通の友人に言わせれば「妙な雰囲気の結婚式だった」そうだ。

「彼の友人はみんなことの顛末を知っていますから、スピーチも盛り上がらなかったし、余興をやる予定だった友人も降りたらしくて。新婦にとっても居心地のいい結婚式ではなかったんでしょう。それでも彼女が満足して、彼も幸せならいいんじゃないですか」

タカミさんは皮肉をこめてそう言った。ただ、少なくとも自分は解放されたような気持ちでいる。一方、彼やエリさんは何か大きなものを抱え込んでしまったのではないか。彼女は、ふたりがうまくいってもいかなくても私には関係ないと言ったが、その裏には「うまくいくはずがない」という気持ちも見え隠れしているようだ。

彼がタカミさんが言うように、まず、「今、何をすべきか」をきちんと見据えていれば、ふたりは別れることはなかったのかもしれない。
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