藍染=ジャパン・ブルー
「ジャパン・ブルー」というネーミングで、海外でも日本のシンボルカラーとして知られている藍染。蓼藍(たであい)などの葉を発酵させ、抽出した植物染料を使って染めていく技法で、日本には7世紀に中国から伝来。江戸時代には庶民の衣服や雑貨などに盛んに用いられ、広まっていきました。「ジャパン・ブルー」として知られるようになったのは明治時代。開国したばかりの日本にやってきた英国人化学者が、街のいたるところで藍染のアイテムを見かけ、これを著書で紹介したのが始まりです。
ただ色が美しいというだけでなく、古くから殺菌、防臭、防虫、日焼け防止、さらに肌にも優しいとされてきた染色技法でもあります。
日常で活躍するアイテムを染め上げる
台東区千束にある「和なり屋」
染め上がりが想像つかないワクワク
色の美しさはもちろん、絞り染めのデザインがこれまたかっこいいのです。雪の結晶のような模様や、音声データを思わせるようなモダンなものなど実にさまざま。お店のスタッフの指導のもと「あんなデザインにしたいなぁ」と完成を思い描きながら、輪ゴムやビー玉などを使って布を縛っていきます。小さくまとまっていく生地はでき上がりの想像もつかず、ワクワクが止まりません。沈めて・揉んで・出す!
さぁいよいよ染めです! お店が用意してくれる割烹着やグローブなどを身に着け、防御態勢万全で臨むので、手ぶらで訪れても服が汚れる心配はありません。 古民家の炊事場のようなスペースに入っていくと、藍染の液がなみなみと入っている藍甕(あいがめ)が目の前に。手を「前ならえ」の状態に伸ばし、染めるアイテムを手に乗せ、お店の方の掛け声とともに藍甕の中に沈ませ丁寧に揉んでいきます。藍染の液の匂いは独特ですが、筆者は枯木のような匂いに感じました。揉んで液から出し、また沈めて揉み……これを20回ほど繰り返すことで深い藍の色に染まっていきます。藍染にどっぷり染まる2時間
そして完成! 慣れない姿勢と、「布を藍甕の中に落としたらどうしよう」という緊張からの解放で気分爽快。世界でただ1つのオリジナルアイテムが誕生しました。お店の方にしっかり洗ってもらって、半乾きの状態で持ち帰ります(ハンカチ染め2500円/ストール染め8800円・税込)。 所要時間は2時間程度。途中で藍染の歴史を聞いたり、クイズが出たり、疲れてきた頃には励ましの掛け声が飛んだり、とにかく全く飽きることのない充実の時間でした。我が家は大人2人と小学2年生、幼稚園年少の4人で臨みましたが、小学生の息子は全ての工程を1人でやり遂げました。年少の娘もデザインを決め、輪ゴムを留めるところまでは自分でできたので大変満足そうでした。夏休みの自由研究などにもおすすめのスポットです。
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和なり屋