「インデックス投資に興味があります。ですが、まだ初心者なので何か間違えそうで心配です。気をつけるべきことは、何かありますか?」
今回は、この質問にお答えします。
そもそも:インデックス投資とは?
本題へ移る前に。そもそも「インデックス投資って何?」と思う人もいるでしょう。まずは、ここから説明します。インデックス投資で失敗しない方法
一方でアクティブ投資があります。アクティブ投資とは上がりそうな株を目利きして「平均以上に儲けること」を目指すことです。また、アクティブ投資によってプロに運用されている投資信託のことを「アクティブファンド(もしくはアクティブ投信)」と言います。
インデックス投資をして平均点を目指す!なんて話をすると、「志が低い!」とか「つまらなそう!」とか感じます。しかし、案外、この投資法は優秀です。過去のデータを調べてみると、過半数のアクティブファンド(プロが銘柄を選んで高いリターンを目指すファンド)よりも、インデックス投資のほうが好成績なのです。
つまり、平均点を目指して無難に投資をしている人のほうが、平均以上を目指している人たちよりも、成績が良いのです。
インデックス投資がうまくいく2つの理由
どうしてインデックス投資がうまくいくのか?というと、これには2つの理由があります。1つ目の理由は、「アクティブファンドよりも手数料が安い」からです。
アクティブファンドというのは、プロが銘柄を目利きして買ったり売ったりするファンドのことです。指数に連動させるだけでよいインデックスファンドと違って、アクティブファンドの運用には高い人件費がかかります。だから、手数料もインデックス投資よりも高くつきやすいです。一方、インデックス投資では手数料が安く済みます。
2つ目の理由は、「アクティブファンドが優秀だから」です。
逆説的ですが、アクティブファンドが優秀であればあるほど、インデックス投資は儲かります。なぜかというと、アクティブファンドが優秀であるほど、株価が妥当になるからです。
上場企業の株価は投資のプロが分析して「これくらいの株価が妥当だろう」と決められています。この値付けは、株価には高すぎるもの、安すぎるもの、さまざまありますが、全体でみるとおおむね「妥当」です。
つまり、自分であれやこれやと株価を分析したりしなくても、「プロがつけた値付けはだいたい正しい」ので、それに便乗するだけでも、けっこううまくいくのです。「多くのプロが100円で買っている株は、100円で買えばだいたい合っている」ということですね。
インデックス投資の弱点2つ
つぎに、インデックス投資の弱点を考えてみましょう。ここまで「インデックス投資がうまくいく」2つの理由を説明しました。1つは「手数料が安い」から。もう1つは「周りの投資家が優秀」だからでした。
ウラを返すと、この2つのうちいずれか1つでも欠けると、とたんにインデックス投資の旨みは消滅します。
第一に、「手数料が高いインデックスファンド」への投資は、損をする可能性が高いです。
インデックスファンドはピンキリで、手数料が安いものも、高いものもあります。手数料が高いインデックスファンドは年率2%近くのコストがかかるのに対して、手数料が安いインデックスファンドは年率0.1%ほどのコストです。
そもそもインデックス投資がうまくいくのは「手数料が安いから」です。だから、間違えて手数料の高いインデックスファンドに投資してしまうと、そのぶん損をします。
第二に、「バブルじみた高値になっているインデックス」への投資も、損をする可能性が高いです。
先にも触れたとおり、インデックス投資は「周りの投資家が優秀で、株価がおおむね妥当」だからこそうまくいきます。しかし、周りの投資家が優秀でない場合は話が変わります。それこそ、投資家が欲にまみれ、インデックスが「バブルじみた高値」になっていたら、手数料が安いと言えど損をする可能性が高いです。
それこそ、1990年の日本株バブルや2000年のITバブルのときのように、高すぎる価格でインデックス投資をはじめると、バブルが弾けてから何年も損に苦しむことになります。
まとめ
要点をまとめると、インデックス投資の強みは「安い手数料で、優秀な投資家に便乗できる」こと。
インデックス投資の弱みは「高い手数料や、バブルじみた高値のインデックスに投資すると損をしやすい」こと。
という2点に集約できます。
インデックス投資は素晴らしい投資法です。多くの人は、インデックス投資をしているだけで、小金持ちになれるでしょう。とはいえ、そんな素晴らしい投資法も「万能」というワケではありません。きちんと弱点やリスクを知ったうえで、上手に利用しましょう。