世間の「完璧な夫婦像」に劣等感を抱くあなたへ
あまりにも完璧で幸せそうな夫婦の様子を見ると、うらやましい反面「同じ人間なのに、どうしてウチは……」と、勝手に比較して落ち込みがち。筆者も若い頃はそう感じていました。
頭では分かっているのです。同じ人間など1人もいないし、住む場所も仕事も結婚した相手も違うのだから、同じような生活ができなくて当たり前だということを。それでも心はざわつきます。どうしてあの人は美貌とスタイルをキープしつつ、家のことも完璧にやれているのか。仕事も家事もパーフェクトでありながら、趣味や家族の時間を大切にする心の余裕があるのか。
そんなモヤモヤを抱えて悩んだり落ち込んでいるあなたのために、心がすっと楽になるメッセージを送ります。
人間は多面体。見えていない面を想像しよう
メディアは視聴者(読者)が知りたい部分だけを切り取ります。みんなが憧れるポジションのタレントならば「仕事も家事もしなやかにこなしている」といった、理想を裏切らないキャラクターに仕立てられることでしょう。人気稼業というビジネスである以上、たとえそれが実態とはかけ離れていても、期待を裏切らないイメージを戦略的に作り上げている……そんな「現実」がある(かもしれない)ことを頭の隅で想像してみると「あの人たちも大変なんだな」と思えるのではないでしょうか。
あなたが憧れる芸能人がテレビやネットで見せている「私生活」は「よそゆきの姿」であり、彼らにも(本当の意味での)私生活は存在します。そして、カメラに映らない「本来の姿」は、意外と手抜き家事をしたり時にはサボっていたりすることも考えられます。実は、あなたとさほど変わりないかもしれませんよ(笑)。
理想を求める気持ちの“正体”を探ってみよう
体力には個人差がありますが、時間は平等です。家庭生活を切り盛りするには、仕事の拘束時間のみならず、子どもの人数や年齢も大きく左右します。妻(母)の忙しさを家族が理解し、協力する体制になっているかによっても変わってくるでしょう。今、あなたが置かれている環境や生活ぶりが、憧れるタレントの(見せている部分での)家庭生活とかけ離れているならば、何がどう違うのか、具体的に書き出してみましょう。頭を整理してみることで、何が足りないのかハッキリするはずです。
理想に近づくための改善策は、もしかすると実現不可能なものかもしれません。しかし、経済的な問題や時間的な融通により「絶対に無理!」ということであっても、例えば今より30%だけでも理想に近づけそうならば、実践してみる価値はあります。
実は、あなたが憧れているものの正体は、パーフェクトな家庭や、スーパーウーマンな妻像ではなく「幸せそうな雰囲気」や「誰かに憧れられる人になること」ではないでしょうか。だとすれば、今のあなたに必要なのは理想に近づく努力ではなく、「満たされない心」と折り合いをつけること。
本当に望んでいるものは何でしょうか。
自由になる時間なのか、ゆとりある生活を送るだけの経済力なのか。はたまた「私」を評価しねぎらってくれる家族の愛情なのか。
まずは、自分の心と向き合い、素直な自分の声を聴いてみましょう。
誰かの評価より、自分らしさを追求しよう
筆者も「仕事も家事もパーフェクト!」なセレブに憧れつつ、かけ離れた現実にウンザリしていた時期がありました。理想と比べて「足りない」ことばかりにフォーカスすると、日々の生活がつまらなくなってしまいます。「あの人」みたいにはなれないけど、今の自分だって、決してひどい生活を送っているわけではありません。自分なりに頑張っているし、やりたいことはそれなりにできています。家は豪邸じゃないしインテリアセンスも皆無ですが、ホテルみたいな部屋より雑多な自分の部屋が落ち着きます。インスタ映えする美しい食卓よりも、気取らないけどおいしい夫の手料理が最高です。
ここまで自己を分析できればしめたもの。すでに筆者は誰と比べるわけでもなく、自身の努力を自分で評価し、本来好きな生き方を実現できているので、満足しています。
満たされた気持ちに包まれたとき、人は幸せを実感するものです。小さな満足を得るための生活の工夫は、さほど難しいものではありません。
あなたが日々の生活を楽しみ、満たされた気持ちになれば、自然と笑顔が増えるはず。笑顔は家族に伝染し、家庭を明るくします。他人の家庭なんて、どうでもいいのです(笑)。今あなたが生きる世界を「幸せで満たす」ことだけを考えましょうね。