年金・老後のお金クリニック

年金を月19万円もらえるのは、現役時代にどのぐらいの収入があるの?【2023年度】

老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、現役時代にどのぐらいの収入があれば、将来、年金を月19万円もらえるのかについてです。年金についての質問がある人はコメント欄に書き込みをお願いします。

執筆者:All About 編集部

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老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、現役時代にどのぐらいの収入があれば、将来、年金を月19万円もらえるのかについてです。年金についての質問がある人はコメント欄に書き込みをお願いします。

Q:年金を月19万円もらえるのは、現役時代にどのぐらいの収入があるの?

「会社員が将来年金を月19万円もらうには、働いているときに、どのぐらいの収入が必要ですか?」(30歳・会社員)
将来、年金を月19万円もらえる現役時代の収入はいくら?

将来、年金を月19万円もらえる現役時代の収入はいくら?

A:年収の目安は677万3952円(月額56万4496円)です

会社員は、受給要件を満たすことで原則65歳から老齢基礎年金と、老齢厚生年金を受け取れます。老齢基礎年金は、未納期間・免除期間が全くない人は、月額6万6250円(2023年・令和5年度満額)が受け取れます。

老齢厚生年金は、現役世代の収入金額(給与など)と勤続年数によって、次の計算式で計算されます。

(1)平成15年3月までは、平均標準報酬月額×7.5/1000×平成15年3月までの加入期間
(2)平成15年4月以降は、平均標準報酬額×5.769/1000×平成15年4月以後の加入期間(※)

※スライド率等については省略。乗率は昭和21年4月2日生まれ以降の人の新乗率を使用

今回は、将来年金を月19万円もらえる現役時代の収入について計算してみます。

例として相談者を2023年・令和5年現在30歳、1993年(平成5年)生まれの方とします。20歳から国民年金に加入し、その後、22歳以降60歳まで(38年間)、厚生年金に加入した場合で計算してみたいと思います。

なお、相談者が会社に入社した年(22歳)は、2015年(平成27年)となりますので、老齢厚生年金を計算するときは(2)の平成15年4月以降の計算式のみを用います。ボーナス込みで、38年間の年収の変更は考慮しません。

この条件で考えると、相談者は、老齢基礎年金を令和5年度で満額約6万6250円受給できることになります。そのため、毎月19万円の年金を受け取るには、老齢厚生年金は月額12万3750円(19万円-6万6250円)受け取る必要があります。

老齢厚生年金を月額12万3750円(年額148万5000円)受け取るための年収を(2)の計算式で計算すると下記のようになります。

●計算式
平均標準報酬額×5.769/1000×456カ月(加入期間)=148万5000円(年間の厚生年金受給額)
平均標準報酬額=148万5000円/(5.769/1000×456カ月)≒56万4496円

平均標準報酬月額を年収に換算します。
56万4496円×12カ月≒677万3952円(年収)

このように、毎月19万円の年金を受け取る生涯平均年収の目安は677万3952円(月額56万4496円)となります。

ちなみに、もし専業主婦の配偶者がいた場合、配偶者の老齢基礎年金が年額で6万6250円受け取れ、夫婦2人の年金受給額は25万6250円になります。

さらに要件を満たせば、厚生年金加入者の老齢厚生年金に配偶者加給年金が上乗せされます。2023年・令和5年度の配偶者加給年金の金額は、39万7500円(昭和18年4月2日以後生まれの特別加算額を含む)です。配偶者加給年金は、配偶者が65歳になるまで加算されますので、メリットは大きいです。

相談者が配偶者加給年金額を受け取れる場合、年金受給額は25万6250円にさらに加算されることになります。

※年金プチ相談コーナーに取り上げてほしい質問がある人はこちらから応募するか、コメント欄への書き込みをお願いします。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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