寿司

実は迷惑行為がきっかけではない。「脱・回転寿司」を決めた銚子丸に聞く“本当のメッセージ”(3ページ目)

すし銚子丸が全店舗で回転レーンでの商品提供を終了し、2023年4月26日までにフルオーダーシステムに順次変更していく。「脱・回転寿司」を決めた思いをすし銚子丸の堀地元常務に聞くとともに、これからの回転寿司の在り方を考える。

米川 伸生

執筆者:米川 伸生

寿司ガイド

これからの回転寿司

これからの回転寿司は「回らない回転寿司」が主流となっていくはずだ。
これからの回転寿司の在り方とは

これからの回転寿司の在り方とは

もともと回転寿司は大阪の立ち食い寿司店が多くの客を少ない職人でさばくために考え出されたシステムであることを考えれば、企業にとっての回すメリットはピークタイムの対応が楽になることが一番大きく、すべてを注文だけで対応していたら厨房がパンクする事態になりかねない。だが、テクノロジーの進化により、この問題もほぼ解決できるようになった。

ほかにも、メニューにない端材で作った商品をパッと流せたり、売り切りたい商品を集中的に流せたりなど寿司を回すメリットはいくつもある。それでも今の時代、流れている商品を手に取ってくれる客は大きく減ってしまい、環境が変わってしまった。レーンに寿司を流していない店も「脱・回転寿司」だとするとほとんどの店がそうなのではないか。

しかし回転寿司という言葉は寿司が回っているというシステムを指すものではなく、看板化したものだと捉えてもいいのではないか。「回転寿司=安価に美味しい寿司が食べられる店」というイメージが定着し、寿司が回っている回っていないに大きな意味はないのだろう。回転寿司という看板を掲げるだけで店の敷居がぐんと低くなり、気軽に入れる店となる。それこそが回転寿司の本質なのだ。寿司が回っていなくても、銚子丸を含めた「脱・回転寿司」派の店はこれからも紛れもなく回転寿司店であり続けるだろう。

寿司が回っている店には回っている店の良さが、回っていない店には回っていない店の良さがある。そのどちらも回転寿司であり、名称は回転寿司の象徴として残っていくはずだ。

>次ページ:【画像】銚子丸「脱・回転寿司」を発表
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