迷惑行為は業界全体で取り組むべき問題
一連の迷惑行為の背景には注文レーンの活用やセルフレジの導入など、省人化による顧客満足度の低下が関与していることは否めない。人が対応することで行き届いていたサービスは機械で補うことは難しい。回転寿司の注文レーン ※画像はイメージ
堀地元常務は「迷惑行為は今後も起こる可能性がありますし、2030年には6000万人のインバウンドを受け入れられるよう国が動いています。日本という国に憧れやリスペクトとともに、大きな期待を抱いてくださっている方々にとっては、こういった迷惑行為が起こることは信じられないことかもしれません。これまでは問題が起きた企業ごとに対応していましたが、業界全体としてモラルの遵守を呼びかけられたらと考えています」と語った。
銚子丸でも2023年2月に電子タバコの吸い殻がガリの箱に混入される事件が起きただけに他人事ではない。回転寿司店だけではなく飲食店全体が迷惑行為の温床となることを何よりも危惧しているのだ。
とはいえ、迷惑行為をきっかけに企業の防犯意識は高まり、対策が講じられている今、利用者にとってはより良い環境で食事が楽しめるようになったともいえる。
回転寿司の歴史を紐解くとその進化の裏には常に問題が介在していた。例えば、タッチパネルや特急レーンは回転寿司の3大クレームである「注文が忘れられた」「商品が届くのが遅い」「間違った商品が届いた」といった問題を解決するために誕生したものだ。今回の件を糧にさらに進化した姿を見せてくれるのは間違いない。その先鞭をつけるために銚子丸はあえて「脱・回転寿司」宣言を行ったのではないだろうか。
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