Q:遺族年金を受給しています。正社員として働き厚生年金保険料を払い続けて、良いことはあるのでしょうか?
「夫が昨年63歳で死亡しました。私は58歳、パートで厚生年金を払っています。夫の遺族厚生年金を月に14万円程度いただけてます。が、私は63歳で特別支給の老齢厚生年金がもらえます。今の段階で年金額30万円程度です。これをもらわないで、夫の遺族年金を続けてもらいたいのですが……。また、今年1月から正社員になりました。65歳まで働きたいのですが、私が厚生年金を払い続けても、夫の遺族年金のほうが多くもらえるのではないかと、正社員にならないほうがよいのではないかと悩んでいます。私が厚生年金を払い続けても、良いことはあるのでしょうか?」(桃の花さん)
夫の遺族年金のほうが多くもらえる?
A:厚生年金に加入して働くことで、65歳以降にもらえる遺族厚生年金額も増える仕組みです
相談者「桃の花」さんは63歳で「特別支給の老齢厚生年金」をもらうようですが、60代前半の年金は、「遺族厚生年金」と「特別支給の老齢厚生年金」のうち、有利なほうを選択することができます。相談者「桃の花」さんは63歳で「特別支給の老齢厚生年金」をもらうようですが、「桃の花」さんの場合は「遺族厚生年金」のほうが有利でしょうから、夫の遺族厚生年金を選択しましょう。
遺族厚生年金を受給しながら、正社員として厚生年金に加入して働くことについてですが、正社員で働いたとしても遺族厚生年金の支給は止まりません。
「桃の花」さんの場合、60歳まで正社員として働くことで65歳以降にもらえる老齢基礎年金と老齢厚生年金を増やすことにつながります。税金や社会保険料の負担はありますが、所得が増え生活に余裕ができるのではないでしょうか。また、雇用保険に入ることで失業等給付ももらえますのでメリットも多いと思います。
さらに60歳以降も正社員として働くことで、厚生年金期間が長くなり65歳以降の老齢厚生年金額が増えます。
65歳以降には自分の老齢厚生年金、自分の老齢基礎年金、遺族厚生年金を受給することになります。遺族厚生年金は、自分の老齢厚生年金と比べて多い場合、差額が支給されることになります。
遺族厚生年金は65歳で再計算されて最も有利な金額が選択されます。自分の老齢厚生年金と比べて遺族厚生年金が多い場合、差額が支給される計算方法の他にも、自分の老齢厚生年金の2分の1と夫の老齢厚生年金の2分の1が合計される、という計算方法もあります。
したがって厚生年金に加入して働き続けたほうが受給する遺族厚生年金の金額が多くなる可能性もあります。いちがいに、厚生年金保険料を払い続けることがムダとはいえません。体に無理のないようでしたら、65歳まで厚生年金に加入して働き続けるのも1つの方法です。
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