近年は高級モデルが話題になりやすく、たしかに銘柄ごとの炊き分け機能や保温性能の高さなどは高ければ高いほどいいという印象があります。とはいえ、炊飯器に10万円使うのには抵抗がある人もいるでしょう。そんな人にこそ使ってみてほしいのがこの炊飯器。とくにおすすめは、ごはんを冷凍してストックする人。その理由を中心にザ・ライスの魅力を解説しましょう。
遠赤外線と高火力IHでしゃっきりした粒感に
ザ・ライスはIH炊飯器なので圧力はかけないのですが、フタから遠赤外線を放出します。そのため、フタの内側には電熱コイルが内蔵されており、ここから遠赤外線を放出するのだとか。お米に直接熱が届くので、米粒の表面にハリがでて、甘みを閉じ込め、粒立ちの良いごはんが炊けるそうです。・「本釜」という名の内釜
また、内釜を包み込むようにIH層が搭載されており、これにより高火力で熱の対流を起こしながら、お米を芯から均一に炊き上げる仕様。内釜には「本釜」という名が付いており、かなりずっしり重みを感じます。
それもそのはず、厚みは約3ミリ、 縁の厚さは約15ミリもあるんです。これは遠赤外線と高火力IHを活かす形状と材質で、発熱効率、熱伝導、熱循環を高め、釜内の熱を均一に素早く伝えるためのもの。さらに、厚みを持たせた釜が熱を蓄え、お米のおいしさを引き出してくれます。
・5種類のお米が炊ける
ザ・ライスは白米、無洗米、玄米、雑穀米、長粒米の5種類の米が炊けます。白米と無洗米は炊き具合を「やわらか」「ふつう」「かため」の3段階で調整可能。ほかにも、すしめし、炊き込み、冷凍ごはん、お粥、玄米・雑穀米メニューを搭載しています。
キーの種類が多いので、初めて使う際は戸惑うかもしれませんが、これは慣れれば問題なさそう。また、最初はタッチパネルの反応が少し鈍いような気がしましたが、敏感に反応しすぎても操作しづらいので、使ううちにちょうどいいのかなと思うようになりました。
保温時にも炊きたての状態をキープ
まずは「白米」モード・ふつうでごはんを炊いてみたところ、フタを開けた瞬間から炊きたてごはんのいい香りが漂ってきました。お米のひと粒ひと粒に照りがあり、水分量もちょうど良さそう。・食べ飽きない、すっきりした味わい
さっそく食べてみると、すっきりした味わいで食べ飽きない印象を受けます。甘みは控えめで、これなら和食はもちろん、カレーとの相性もいいはず。普段は少し柔らかめのごはんを好む筆者には少し硬めに感じたのですが、どんなおかずにも合うという点はザ・ライスの強みです。
・約6時間保温してみた
ここまではある程度の価格帯の炊飯器ならよくあることかもしれません。しかし、炊いたごはんを約6時間保温したときに、ザ・ライスの本領が発揮されました。そう、これだけ時間が経ったにも関わらず、十分に“おいしい”と思える状態なんです!
・安心して保温しておける
もちろん、炊きたての状態と比較すると、ツヤや弾力は多少劣るものの、いかにも保温したごはんというわけではなく、独特のすえたニオイもしません。ごはんはすぐに冷凍したほうが鮮度をキープできるのはわかっているけど、家族の食事の時間帯がバラバラになる場合、わざわざ冷凍するのもな……と思ってしまいます。そんなときもザ・ライスなら安心して保温しておけるんです。
冷凍ごはんのクオリティが高い
普段、食べきれないごはんは冷凍保存するので、「冷凍ごはん」モードで炊いたごはんと「白米」モードで炊いたごはんを冷凍して食べ比べてみることにしました。見た目はほぼ変わりませんが、食べてみるとその差は歴然。冷凍ごはんモードのごはんのほうが、明らかに水分量が多く、冷凍ごはんにありがちなベタつきが少ないのです。炊きたての状態では白米モードよりも粒感が際立っていますが、冷凍したものを解凍したときに嫌なベタつきがなく、炊きたての白米モードにかなり近い状態に。冷凍するためのごはんを炊くのであれば、冷凍モードを使わない手はありません。
炊飯機能を見ると3万8000円以上の価値を感じるザ・ライスですが、1点注意したいのが蒸気口の手入れ。5つのパーツに分かれていて、炊飯のたびに分解・洗浄・組み立てが必要です。また、本体サイズは幅258×奥行き312×高さ232ミリと少し大きめなので、置き場所を選ぶ可能性があります。
しゃっきりしたごはんを楽しみたい人や、家族の食事時間がバラバラで保温や冷凍をよく使う家庭におすすめのザ・ライス。新生活の炊飯器選選びの候補に加えてみてください。