4月に上がりやすい業種は?
4月相場は、3月決算企業にとって新たな会計年度を迎えることから「新年度相場」と呼ばれています。また、企業や機関投資家が、3月の年度末にかけて決算対策として売り出していた株式を買い戻す傾向があることから「4月効果」とも呼ばれ、株価が上昇しやすいといわれています。今回は、4月の株式相場においてどのような業種が上がりやすいのかについて、過去の株価データから統計的に検証してみました。
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検証対象:日経平均採用銘柄(225銘柄)
検証期間:2000年1月1日~2023年2月28日
1銘柄当たりの投資金額:20万円
買い条件:3月末の寄り付きで成行買い
売り条件:買い付け後、25日経過後の翌日に成行売り
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3月末に、日経平均採用銘柄の銘柄をすべて購入し、およそ25日経過後に売却した場合について検証を行います。業種別で見て、仮に勝率が50%以上で損益がプラスならば、その業種は4月に株価が上がりやすく、逆に勝率が50%未満で損益がマイナスならば株価が下がりやすい月となります。
4月相場で好調な業種ランキング!ベスト3
以上のルールで過去のデータを用いて検証した結果、勝率の高かった業種は以下の通りです。■1位:造船(2銘柄)
- 勝率:60.00%
- 勝ち数:27回
- 負け数:18回
- 引き分け数:1回
- 平均損益(円):12,025円 平均損益(率):6.01%
- 平均利益(円):28,020円 平均利益(率):14.01%
- 平均損失(円):-11,300円 平均損失(率):-5.65%
- 合計損益(円):553,136円 合計損益(率):276.57%
- 合計利益(円):756,527円 合計利益(率):378.27%
- 合計損失(円):-203,391円 合計損失(率):-101.70%
- PF(プロフィット・ファクター):3.720
- 平均保持日数:25.91日
■2位:機械(16銘柄)
- 勝率:58.20%
- 勝ち数:213回
- 負け数:153回
- 引き分け数:2回
- 平均損益(円):6,313円 平均損益(率):3.16%
- 平均利益(円):17,626円 平均利益(率):8.81%
- 平均損失(円):-9,354円 平均損失(率):-4.68%
- 合計損益(円):2,323,157円 合計損益(率):1,161.59%
- 合計利益(円):3,754,307円 合計利益(率):1,877.20%
- 合計損失(円):-1,431,150円 合計損失(率):-715.61%
- PF(プロフィット・ファクター):2.623
- 平均保持日数:25.91日
■3位:その他金融(3銘柄)
- 勝率:57.81%
- 勝ち数:37回
- 負け数:27回
- 引き分け数:0回
- 平均損益(円):5,855円 平均損益(率):2.93%
- 平均利益(円):18,789円 平均利益(率):9.39%
- 平均損失(円):-11,871円 平均損失(率):-5.94%
- 合計損益(円):374,696円 合計損益(率):187.35%
- 合計利益(円):695,201円 合計利益(率):347.61%
- 合計損失(円):-320,505円 合計損失(率):-160.26%
- PF(プロフィット・ファクター)
- 平均保持日数:25.94日
以上が、4月相場で好調だった3業種の検証結果です。検証結果を見てみると、どれも勝率が50%以上で1トレード当たりの平均損益もプラスになっています。この3業種は、4月に上がりやすい傾向があるといえるでしょう。
4月好成績ランキング
では最後に、今回の検証でご紹介した3業種の中でも上昇傾向が強く、4月相場で特に好調だった銘柄はどれでしょうか? 表は、先ほどの検証において特に勝率の高かった銘柄のランキングです。4月相場は、「住友重機械工業<6302>」が80%以上の勝率をマークし、「オークマ<6103>」「三井E&Sホールディングス<7003>」などが勝率65%を超えており好調です。
4月相場は、企業や機関投資家が3月の年度末にかけて決算対策として売り出していた株式を買い戻す「4月効果」により株価が上昇しやすいといわれる相場です。その中でも特に勝率が高い、上記3業種(造船、機械、その他金融)の銘柄に注目してみてはいかがでしょうか。
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(このテーマでの検証については、【システムトレードの達人】を使って検証しています。記事の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容の正確性および安全性、利用者にとっての有用性を保証するものではありません。当社及び関係者は一切の責任を負わないものとします。投資判断はご自身の責任でお願いします)