そこで、2022年12月に発表された金融広報中央委員会の「令和4年(2022年)家計の金融行動に関する世論調査」から、40代の平均貯蓄額とその中身を見てみましょう。
40代では金融資産の平均は785万円
図は、世帯主が40歳代の家庭全体=総世帯と、2人以上の世帯と単身世帯別に金融資産の保有額の平均と中央値、保有額の分布をグラフにしたものです。この結果から見ると40代総世帯の平均貯蓄額は785万円でした。このうち2人以上世帯では、金融資産の保有額は平均で825万円と、全体の平均額よりやや高めです。ただし、対象世帯の保有額を並べたときに真ん中にくる金額=中央値は250万円。つまり平均額より低い金額の世帯のほうが、数は多いということです。
一方、40歳代の単身世帯、いわゆるおひとりさまは平均で657万円、中央値は53万円と、2人以上世帯よりも中央値の低さが目立ちます。
いずれも、金融資産非保有者=金融資産がゼロの世帯を含んだ数字です。金融資産という貯蓄がない世帯は、2人以上世帯では26.1%で、4世帯のうち1世帯。単身世帯では35.8%で、3世帯のうち1世帯が貯蓄なしという結果。40代でも貯蓄ゼロの世帯が多いという現状ではありますが、だからといって貯蓄が少なくても仕方がないとはいえません。
金融資産を保有している人のみで調べた金融資産の平均額と中央値は、以下の通りです。
- 総世帯……平均1114万円、中央値500万円
- 2人以上世帯……平均1132万円、中央値500万円
- 単身世帯……平均1045万円、中央値は374万円
金融資産の中身は預貯金がダントツ1位!
次に、40代はどんな金融商品を保有しているかを見ていきましょう。 現在保有している金融商品ついては、2人以上世帯、単身世帯のいずれも、一番多いのが預貯金で、90%以上の世帯が保有。これは当然でしょうが、ほかの金融商品の保有比率と比べると、預貯金への偏りも感じられます。2人以上世帯では、その次に積立型保険商品34.7%、株式28.4%、投資信託27.3%、個人年金保険24.2%となっています。これに対し、単身世帯では預貯金の次に多いのが株式26.2%で、投資信託25.3%で、積立型保険や個人年金保険も保有していますが、2人以上世帯に比べるとリスク性商品の保有比率がやや高いことがわかります。
40代といっても、ライフスタイルや働き方はさまざまで、これから必要となる資金の使い道や金額もそれぞれ違ってくるものです。しかし、先の読みづらいこれからの時代に対し、不測の事態に備えるお金や、各自のライフプランを実現していくための資金、老後資金のベースづくりなど、目的や目標額をしっかり考えて、貯蓄を増やしていきたいものです。
記事作成協力:インタープレス