ケース1. どことなく妻を見下す態度をとる
「見下すというと大げさかもしれませんが、半年ほど前から夫の発言がなんとなく気になっていました。私の顔をじっと見て『老けたなあ』と言ったり、『美容院とか行ったほうがいいんじゃない?』とかつて聞いたことのないようなことをつぶやいたり。私を案じているようで、実は見下しているのではないかと思ったんです。誰かと比べて見下している、という感じです」嫌な予感がしたと、マミコさん(47歳)は言う。釘を刺したほうがいいのか、あるいは放置したほうがいいのか迷った。夫の携帯を見ようかとも考えたが、やはりそれはできなかった。真実を知るのが怖かったわけではなく、たとえ夫であってもプライバシーは尊重したかったからだ。
「ただ、気になる発言は次々と出てきたんです。バリバリ働いている女性はかっこいいよなあとか、有能な働く女性の判断力は的確だとか。パートで仕事をしている私には、いちいち傷つく言い方でした。子どもふたりをほぼワンオペで育てたのは誰だと思ってるのよと言いたくなった」
結婚して18年、高校生と中学生の子どもたちが小さい頃、転勤族の夫について数年に一度は引っ越しをするのがどれほど大変だったか、夫は分かっていないのだろう。そんな積年の恨みに近い気持ちもわいてきたころ、とうとう夫の浮気が発覚した。
「なんだか様子がおかしかったので、『体調でも悪いの?』と優しく言ったら、夫が涙声で『いや、大丈夫』と。その姿が寂しそうで、思わず座っている夫の頭を包むようにして抱いたら、夫が泣き出しちゃって。問い詰めて告白させました。不倫相手にフラれたそうです。バカバカしくて嫌になったけど、夫は自分の思いを打ち明けたかったんでしょうね。聞きたくもないのに聞かされました。私の勘が当たっていたことだけは確認できたけど」
相手は同世代のキャリアも地位もある女性だった。夫はその彼女と恋に落ちて、自分まで偉くなったような気分だったらしい。だが数カ月で破局、舞い上がっていた夫は未練たっぷりだった。
「慰めたくもないから放置しておきました。夫はその後、私に弱みを握られたと思ったのか、やけに低姿勢です」
低姿勢が続くならいいか、と今のところは以前と変わらない対応をしているマミコさん、大人である。
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