そこで、オールアバウトが2023年1月~2月にかけて銀行口座の利用状況について、アンケート調査を実施! 今回は「WEB通帳の保有状況」と「紙通帳の記入の頻度」のアンケート結果を発表します。
アンケート回答者の属性は画像のとおりです。
10代~70代、北海道から九州沖縄にお住まいの男女366人に回答いただきました。 紙の通帳に代わり、インターネット上で履歴を閲覧できる「WEB通帳」。まずは、みんなはこのWEB通帳を使っているのか、アンケート結果を見てみましょう。
半数以上がWEB通帳を使用、便利との声が多数
「WEB通帳を使っていますか?」という質問に対し、「はい」56%、「いいえ」44%と、半数以上の人がWEB通帳を使用しているという結果になりました。 使っていると回答した人に理由を聞くと、「記帳の手間や時間がかからない」「いつでも確認できて便利」といった好意的な意見が目立ちました。一方で、「そもそもネット銀行だと紙の通帳は発行されないので必然的にWEB通帳を使用している」「紙の通帳には発行手数料がかかる」という意見もちらほら。銀行サービスのデジタル化によって、WEB通帳を使用し始めている様子がうかがえます。
根強く人気の「紙通帳」、有料化に注意
とはいえ、「いいえ」も44%と、紙通帳を使っている人も一定数いるようです。「どれくらいの頻度で通帳を記帳していますか?」という質問では、1位「月1回」33%、2位「数カ月に1回」19%、3位「通帳がない」16%、4位「最後にいつ記帳したか分からない」12%という結果になりました。そこまで頻繁に記帳をしないという人が多く、WEB通帳やインターネットバンキングなどの普及で、記帳せずとも家計管理がしやすくなったことが考えられます。 その一方で、「月に数回」と答えた人も11%いました。10人に1人以上は紙の通帳をきちんと管理し、記帳が習慣化しているようです。WEB通帳を使っていない人、つまり『紙派』の人の理由として多かったのが「設定やログインが面倒」「紙の方が見やすい、馴染みがある」「セキュリティが心配」の3つです。設定が面倒でWEB通帳を利用していないだけの人もいますが、紙の通帳には見やすさや安心感の面で、根強い人気があるようです。
しかし、『紙派』にとって見過ごせないのは、有料化の動きです。紙の通帳には1口座あたり年間200円の印紙税がかかり、その費用を銀行が負担しています。2021年1月、みずほ銀行が新規口座を対象に、通帳の発行1冊につき1100円(税込)の手数料を導入しました。これを皮切りに、都市銀行や地方銀行で通帳発行の有料化がじわじわと進んでいます。
銀行によって、1冊ごとに手数料がかかるところもあれば、年単位の手数料のところもあります。いずれの銀行でも新規で口座開設した場合が対象となりますが、今後は既存の口座でも通帳に手数料がかかるようになるかもしれません。紙の通帳を持っているだけで手数料がかかるようになることも考えられるので、「通帳に手数料がかかる条件」を注視しておく必要があるでしょう。
まとめ
WEB通帳は、広く浸透してきていることが分かりました。その一方で、紙の通帳に愛着を持っている人もいます。しばらくは昔開設した口座であれば、紙の通帳もこれまで同様に無料で利用し続けられそうですが、無料で利用できる条件が変更されるかもしれません。紙の通帳を使い続けたいという人は、有料化の動きに気をつけておく必要がありそうです。(監修:酒井富士子/経済ジャーナリスト・オールアバウトマネーガイド)