住友林業のノウハウを活かした、居心地満点のホテルエリア
リゾートのランドマークとなり、その印象を決めるのはやはり宿泊施設。VISONにはホテル棟とヴィラ棟からなる「ホテルヴィソン」と、かつての宿場町のようなイメージの「旅籠(はたご)ヴィソン」という2つの宿泊施設があります。「『ホテルヴィソン』と『旅籠ヴィソン』からなる『VISON HOTELS(ヴィソンホテルズ)』は全部で201室。そのうち155室はホテルスタイル、6室は戸建てのプライベートヴィラ、40室は1階に商業店舗を併設した旅籠になっています。木のぬくもりを感じる和モダンのヴィラは、住友林業が基本設計を担当しました。ホテルエリア全体としては、インテリアの提案・納入や、建物の資材購入のサポート、客室のテラスやホテル周辺の植栽工事なども行っています。
ちょっと珍しいのは、宿泊の際にお渡しするルームキーが木製になっているところでしょうか。台風などで倒れてしまった伊勢神宮神域の木を再利用して、住友林業グループが製作しています」(城さん)
宿泊客にも好評の、木製のルームキー。
ホテルの木材は三重県産の杉をはじめ、7割が国産のものを使用。ホテルヴィソンのヴィラは、三重県が主催する「みえの木建築コンクール」で優秀賞に輝くなど、優れたデザインと木質感が高い評価を受けています。
戸建ての隠れ家のような和モダンのヴィラ。プライベートガーデンには露天風呂も。
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「VISONプロジェクトでは、私たち生活サービス本部が窓口になって、グループ全体で複合的な事業の構築を目指しています。今回のホテル事業では実際の宿泊運営にも携わるという、住友林業として初めての取り組みにもチャレンジすることになりました。
これまでも、注文住宅などの事業を通じて、オーナー様へのリスペクトやホスピタリティを育んできています。その精神は、VISONを訪れるゲストへのサービスにも活かされていると感じます」(大西さん)
産官学の専門的なパワーを集結し、地域の魅力を引き出す
ホテルエリア以外に、屋根が特徴的なマルシェ ヴィソンの建物も住友林業が基本設計を担当しています。アーチ型の屋根が何連も続く、ダイナミックでインパクトのある建物です。ダイナミックな屋根が印象的。
「木材のプロとして、木の魅せ方やデザイン面にはこだわりました。例えば、外壁に使われる木材の一部はあえて長持ちさせる塗装をせず、経年変化する様子を味わいとして感じていただくなど、数々の工夫を凝らしています」(城さん)
このVISONは、近隣の6つの自治体と30社ほどの民間企業、大学などが参画し、それぞれの専門的な知が集まったビッグプロジェクト。単なるリゾートを超えて、地方創生を目的とした新しい街づくりのモデルとなるものです。
「住友林業は林業を生業とする企業で、積み重ねたノウハウを地域との共創、活性化に役立てることを目指しています。そんな中、この多気町で地域を盛り上げていこうというVISONプロジェクトに出会い、2018年にプロジェクトへの参加を決意しました。地域の持つ資源や文化を有効活用し、地元の雇用も生まれるなど、オープン以来大きな手応えを感じています」(大西さん)
遠方からも多くの人が訪れる「癒・食・知」の豊かな体験
「地方創生への大きな取り組みに、計画当初から参画できたのはとてもうれしいことです。多くの企業や関係者と連携し、オールVISONとして目的に向かっていく過程は難しくもあり、貴重な経験でもありました」という大西さん。
「住友林業は山林事業にはじまり、木材の流通、住生活関連、木質バイオマスエネルギーなど、これまで地域の人々の生活に密接に関わってきています。今回新しい挑戦となったホテル運営に留まらず、私たちの知見が役立つ機会があれば、これからも積極的に参画したいと考えています」(大西さん)
コロナ禍でのオープンとなり、お客様の出足は厳しいのではないか……という不安もあったそう。個性的で魅力あるコンセプトを持ったVISONは予想以上に好調で、リゾートとして楽しむだけでなく、その質へのこだわりにも注目が集まっています。
「VISONは、豊かな自然環境と素晴らしい食材に恵まれた場所です。季節や時間帯によって変わる景色に包まれ、美食やさまざまな文化を知る楽しみをたっぷりと用意していますので、ぜひ満喫していただきたいですね」(大西さん)
メディアで取り上げられる機会も多く、「癒・食・知」の体験を求めて遠方からも訪ねる人が増えています。自然と調和し、豊かな感性を取り戻すような、上質な時間をVISONで過ごしてみてはいかがでしょうか。
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