男のこだわりグッズ

独特な形のペンケースが流行りそう!ステーショナリーのプロが春の展示会で見つけた最新「文具・小物」

2023年2月15~17日、東京都内では大規模な雑貨やインテリア、生活用品などの展示会が数多く行われました。いわゆるギフトショー・ウィークです。そこで見つけた、2023年上半期注目の文具や財布、キッチン用品などをまとめて紹介します。

納富 廉邦

執筆者:納富 廉邦

男のこだわりグッズガイド

再び賑わいを取り戻した春の消費財見本市

2023年2月15~17日にかけて、東京都内では、大規模な雑貨やインテリア、生活用品などの展示会が数多く行われました。業界的には「ギフトショー・ウィーク」と呼ばれていた展示会ラッシュが、久しぶりに活気を取り戻した感じでした。

今回は、それらの中で、MONTAGE(以下、モンタージュ)、大日本市、EXTRA PREVIEW、ギフトショー(LIFE×DESIGNなどの併設展も含む)を回って、2023年上半期の注目すべき文具や財布、キッチン用品などをピックアップしました。
 

武雄焼のガラスペン、アクリルや革のペンケースに注目!

23springshow1-1

HIZEN5の武雄焼のガラスペン。

文具で最初に目を惹いたのは、モンタージュに出展されていたHIZEN5による「武雄焼のガラスペン」です。

HIZEN5は佐賀の有田焼、伊万里焼、唐津焼、武雄焼、肥前吉田焼の5つの焼き物産地がたち上げたブランド。ガラスペンも、すでに有田焼、唐津焼のものは発売されていて、今回、5つの産地全てのガラスペンがそろって展示されていました。
23springshow1-2

武雄焼ガラスペンのペン先部分。このグリップ部分が握りやすく、筆記具としての完成度が高い。緑の釉薬もキレイです。

どうしても、繊細な感じに仕上がりがちの陶磁器を軸に使ったガラスペンですが、今回展示されていた「武雄焼のガラスペン」1万3750円(税込、以下同)は、がっしりと持ちやすく、実用的な筆記具でもあり、調度品的でもあり、武雄焼らしい質感も持った、バランスの良い製品に仕上がっている印象。久しぶりに、使いたいと思わせるガラスペンでした。近日発売予定。

・アクリルを使ったペンケース「筆箱 -Hikka-」
23springshow1-3

Kuwabara「筆箱 -Hikka-」(7700円)。この波形の加工が楽しい。

同じくモンタージュで見つけたのが、Kuwabaraのアクリルを使ったペンケース「筆箱 -Hikka-」(7700円)です。

マットに仕上げた部分と透明度の高い部分を組み合わせたアクリル使いのうまさと、昔ながらの筆箱のフォルムは、懐かしさと新しさを同時に感じさせます。波形に勘合する上部と下部の構造が面白く、その波形になった部分に、ガラスペンなどを置いてトレイとして使えるのも、良くできていました。

国産アクリルの品質の高い透明感と、優れた曲げの技術、ぴったりと上下がハマる精巧さで、トランスルーセントの筆箱としては、かなりの高級感も演出されています。
show23-04

Kuwabara「JACKET2 for LP」(1万6500円)。レコードジャケットを入れると、小口部分からアクリルの色がのぞく。写り込んでいるのはKuwabaraの担当者。

なお、文具ではありませんが、レコードジャケットを飾るためのフレーム「JACKET2 for LP」(1万6500円)も、良くできていました。側面にアクリルの綺麗な色を見せながら、ジャケット自体のデザインを邪魔しない構造がお見事。ジャケットの出し入れが簡単にできるよう作られているのもさすがです。

・流行りそうな面白い構造のペンケース
show23-5

ダイゴー「トレーになるポーチ トライフル」(1540円)。これは閉じた状態。普通のペンケースや薄いマチのポーチの感じ。

ペンケースとしては、EXTRA PREVIEWで見つけたダイゴーの「トレーになるポーチ トライフル」(1540円)は、ちょっと流行りそうな感じの面白い構造と使いやすさ、使用範囲の広さが魅力の製品。

ファスナーを閉じた状態だと、約270×120mmの、ちょっと大きめのペンケースという感じですが、開くと底部が三角形に広がって、机の上に置くのにちょうどいいトレイのような形に展開します。

・小さなパーツも出し入れしやすい
show23-6

開くと、こんな風に三角錐というか逆テントのような形になる。これが、机上での中身の出し入れにとても便利なのです。

片側に壁があるトレイといった感じになるので、小さなパーツなどを入れても出し入れしやすく、ペンケースや化粧ポーチとしてはもちろん、楽器のメインテナンスツールのような小型の工具類を入れたり、小巻にしたマスキングテープやふせんなどのデスクトップツールを入れたりと、さまざまな用途で使えます。3月中旬発売予定。

・無縫製で作られた魅力的な革小物
show23-7

KOTOTS「フデバコ」近日発売予定。無縫製なのに箱形の革製ペンケース。

同じくEXTRA PREVIEWで、これもペンケースなのですが、いつも無縫製で作られた魅力的な革小物を展示している「KOTOTS」の近日発売予定の新製品「フデバコ」(価格未定)は、大人の小物といった趣。

無縫製なのに、角のある細長い直方体になっている、そのフォルムが、まず綺麗なのです。

・コンパクトな見た目以上の収納力!show23-8

KOTOTSの「フデバコ」を開いたところ。収納量はこんな感じ。箱形なので中が一覧しやすい。

ペンを2~3本だけ入れて持ち歩くための小さなケースですが、縫い代部分がないためか、見た目の小ささの割に収納力があり、しかも、外観は本当にコンパクトなので、ケースごとポケットに入れて持ち歩くことも可能。愛用の万年筆とボールペンを1本ずつ入れて持ち歩きたくなりました。
 

革や和紙を使ったコンパクトな財布の名品が登場

show23-09

sugata「キーウォレット」(7700円)。見た感じはおしゃれなキーケースですが、実は財布です。

EXTRA PREVIEWで革製品の面白いものをもう一つ見つけました。sugataの「キーウォレット」(7700円)です。

財布に鍵を収納できるタイプや、キーホルダーにコインも収納できるといった製品は、最近では珍しくありませんが、この製品はキーケースの外観の中に、コインと紙幣を収納できるように作られています。キーは上部のリングに付けます。
show23-10

開くと、コインケース部分と紙幣入れがあります。キーは上部のリングに付ける仕様。

カードこそ収納できませんが、鍵もコインも紙幣も無理なく収納できる構造なので、コインや紙幣もスムーズに出し入れできるのがポイント。ちょっとしたアイデアではあるのですが、柔らかく薄く、でもしなやかな革の性質をうまく使って、実用的なウォレットに仕上がっていました。

・和紙を使ったコンパクト財布
show23-11

右側に並んでいるのがSUKURO「COMPACT WALLET」(8580円)、左にあるのが「POUCH」(8800円)。

財布では、大日本市で見つけた、越前和紙を使った雑貨ブランド「SUKURO」は、表に越前和紙、裏地に再生ポリエステルを使い、さらに超撥水加工を施した素材で、財布やカードケースといった小物から肩かけバッグなどまで、さまざまな製品を展示。

中でも「COMPACT WALLET」(8580円)は、折り紙で作ったような構造ながら、紙幣スペース、カードスペース、コインスペースときちんと分離しています。
Show23-12

COMPACT WALLETの中はこんな風に仕切られているので、カード、コイン、紙幣を分けて収納できる。

とにかく、小さく、軽く、その割にきちんと財布としてのフル機能があって、カラーバリエーションも豊富。和紙ならではの表情のある風合いと、財布としての機能性のミスマッチが良い感じです。

ほかに、きちんとマチがある箱形のコンパクトな「POUCH」(8800円)もあって、そちらもサイズ感が絶妙で、使い勝手が良さそうでした。近日中にオンラインストアがオープン予定です。
 

ダブルウォールの小さめカップの時代が来るかも

shoe23-13

THREE RIVERS「39Arita ダブルウォールカップ」(3300円)は、今回の展示会取材の中での個人的ベスト。このサイズで、二重構造で釉薬もいろいろ。

個人的には、ギフトショーで見つけた、THREE RIVERSの「39Arita ダブルウォールカップ」(3300円)が、今回の展示会取材での最大の収穫でした。

有田焼のブランドなのですが、なんとも有田焼らしくない製品をあえて打ち出していました。中でも「39Arita ダブルウォールカップ」は、その名前通り、有田焼の技術で作られた、ダブルウォール、つまり二重構造の湯呑みです。

・焼き物としては珍しい二重構造
show23-14

ダブルウォールカップ、つまり、こんな風に二重構造になっているのですが、これを陶磁器で作るのはかなり難しい。

ガラスやステンレス、樹脂などでは比較的一般的なダブルウォールのカップですが、焼き物では珍しく、定番として買えるのは、秋田道夫さんデザインの「80mm」か、ロイヤルコペンハーゲンのものくらい。

そこに、買いやすい価格と複数のサイズ、釉薬違いのカラーバリエーションでの発売です。量産も大丈夫という頼もしいお言葉もいただきました。これは、大変なことだと思います。思わず、私も200ccの小さなタイプをひとつ購入してしまいました。

熱いコーヒーを入れても持つ手は熱くなく、冷酒を入れても結露しない、手のひらに収まるキレイなカップは、シンプルな形とともに普段使いに最高です。

・サイズも機能も珍しいステンレスカップ
show23015

VANTECH PRODUCTS「50mm」

秋田道夫さんデザインの湯呑み「80mm」を元に、VANTECH PRODUCTSが開発した、小ぶりの酒杯と、お酒などをまろやかにする加工が施されたマドラー付きの蓋のセットも、今回のギフトショーで一般の方に初披露されていました。

こちらはステンレスの2重構造のカップ「50mm」と、それにぴったりのステンレスの蓋。そして、その蓋の下に装着できるマドラー「Φ8」という組み合わせの妙が楽しい製品です。
show23-16

触媒加工によって、酒やコーヒーの味をまろやかにするマドラーがついた蓋「Φ8」。

高さも直径も50mmという小さなサイズのステンレスカップは、ただでさえ珍しいのですが、それが二重構造になっています。金属カップはただでさえ熱伝導が良いので、把手がない場合、二重構造はありがたいのです。ピシッと角が立っているように見える飲み口も、口を付けると実は柔らかいのが魅力です。
 

製造技術やデザインを考え抜いたキッチン用品たち

show23-17

て/ま「こぶりなピーラー」(2970円)。シンプルながら細部まで使い勝手を考え抜いたピーラー。8月発売予定。

金属製品では、燕三条の老舗メーカーが新たに起ち上げた生活用品のブランド“て/ま”の「こぶりなピーラー」(2970円)と、「こぶりな千切りピーラー」(3190円)も注目商品です。

ブランド自体が今回の大日本市で初めて発表されたということでしたが、メーカー自体は老舗ですし、その製品もとても考えられたものでした。

・こぶりな千切りピーラー
show23-18

こちらは「こぶりな千切りピーラー」(3190円)。千切り用のギザギザの刃以外は「こぶりなピーラー」と同じ。上に反った芽取りや、全体に丸みを帯びたデザインに注目。8月発売予定。

ピーラーは、それこそ燕三条の名物といってもよいほど、多くのメーカーが販売している製品です。そこに切り込むのですから、やはりよく考えられていました。

特に、手に持った時に角に当たる感触が一切ない仕上げと、接合部分でさえ丸く作られていて、汚れが溜まりにくく、洗いやすくなっていることに感心しました。芽取りを、刃を付けるU字のパーツの先に付けるアイデアや、台に置いた時に、刃が台に触れないように小さな突起が付いている設計など、細部が本当に良くできていました。手頃な価格だし、使ってみたくなるピーラーだと思いました。製品の発売は8月を予定しているそうです。

・普段使いしたいアウトドアテイストのマグ
show23-19

FLAT GREEN「WOOD MUG」Mサイズ(2500円)。ほかにLサイズ(2800円)もある。

EXTRA PREVIEWで見つけた、FLAT GREENもユニークなブランドでした。アウトドアのブームもあって、アウトドアテイストの食器などが増えましたが、このブランドでは、その先を見ているようです。

普通に家庭で使うカトラリーやマグカップに、家庭内で馴染む形でアウトドアテイストを盛り込むという、なんとも複雑なことをやっているのです。

折りたたみ型のカトラリーにもアウトドアテイストを
show23-20

FLAT GREEN「SPORK」。シルバーが1000円、ブラックが1200円。

この、アウトドアっぽいけれど家で使う方が馴染むデザインというのは、相当新しいと思うのです。

中でも、ちょっと小ぶりなサイズ感と、アウトドアとインドアの中間を行くような木の取っ手のデザインが抜群の「WOOD MUG」のMサイズ(2500円)と、折りたたみ型のカトラリーを、家庭の食卓に似合う形に仕上げた「SPORK」(1000円/1200円)が好み。

【あわせて読みたい】
見た目を裏切るパワフルサウンド!2023年春の展示会で見つけた「超コンパクト」なBluetoothスピーカー
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます