今回は、縦型洗濯機とドラム式洗濯機では、どちらが電気代や水道代を節約できるのかをご紹介します。
<目次>
洗濯機のドラム式と縦型、そもそも何が違うのか
縦型とドラム式とでは、見た目もさることながら、洗濯物の洗い方や乾燥のさせ方が異なります。それにより、洗濯にかかる時間や電気代、水道代が変わってきます。■洗い方の違い
ドラム式は、中のドラムが回転し、上から下に洗濯物を叩き落とすように洗うため水の使用量が少ないのが特徴です。一方の縦型は、洗濯槽の下についている羽を回転させることで、たっぷりの水の中で衣類同士を擦れさせて汚れを落としています。そのため洗い方の違いにおいて、ドラム式の方が衣類の傷みが少ないともいわれています。 ■乾燥方法の違い
乾燥方法は、ドラム式か縦型かではなく、ヒーターを使うか使わないかで違ってきます。
ドラム式に多く搭載されているヒーターを使わない「ヒートポンプ式」は、分かりやすくいうと濡れた洗濯物を除湿機で除湿して乾かすイメージです。ヒーターを使って乾燥させる「ヒーター式」は、縦型のほかドラム式の一部でも採用されています。熱を使う分、電気代はヒートポンプ式よりも高くなります。
縦型とドラム式の電気代と水道代、安いのはどっち?
では実際に、縦型とドラム式とでは、どちらが電気代や水道代を節約できるのでしょうか。パナソニックの公式サイトが、2022年モデルで比較していましたので、そちらの数値を元にご紹介します。比較されていたのは、ドラム式洗濯機がNA-LX129B(ヒートポンプ式乾燥)、縦型洗濯機がNA-FW12V1(ヒーターセンサー式乾燥)です。水道代は圧倒的にドラム式の方が安くなっています。電気代は洗濯時には大きな差はありませんが、乾燥機能を使ったときにドラム式の方が大きく節約できています。
縦型とドラム式の本体価格の差は? 洗濯容量はどれくらい?
電気代と水道代でいえば、ドラム式のほうが節約できることが分かりましたが、洗濯機本体の価格はどうでしょうか。まずドラム式よりも縦型の洗濯機のほうが本体価格に幅があります。それは洗濯容量の差でもあるので、ご家庭でどの程度の量を一度に洗濯したいかを考えましょう。
洗濯量の目安は1日に1人1.5kgといわれています。この量と家族の人数、ライフスタイルから、洗濯を週に何回するのかを洗い出し、ご家庭の洗濯機に必要な洗濯容量を計算してみてください。
ちなみに容量に関しては「洗濯容量12kg・乾燥6kg」というように、多くのメーカーの乾燥容量は、洗濯容量の半分程度になっています。この場合、洗濯時は12kgまでできますが、乾燥は6kgまでしかできないので、乾燥は2回に分けてする必要があります。
縦型には、シンプルな機能で容量が少なく低価格のものもあります。洗濯容量10kg以上で同じような機能のドラム式と縦型を比べたときは、どのメーカーもドラム式のほうが、10万円前後本体価格が高く販売されています。
メーカーが定めている標準使用期間(洗濯機の寿命)は6~7年のものが多いですが、実際にはもう数年長く使えることもあるでしょう。前述のとおり電気代と水道代はドラム式のほうが節約になりますが、本体価格が高いため、光熱費をご家庭の洗濯回数×標準使用期間で計算し、比較してみることをおすすめします。
洗濯機を7年使った場合、縦型とドラム式どっちが節約になる?
4人家族が洗濯機を購入し、7年使用する場合、先にご紹介したパナソニックの縦型とドラム式とではどちらがお得なのかを計算してみましょう。1年365日、7年2555日として算出します。乾燥機能まで使うとすると、1回に洗濯できる量は6kg。1人あたりの洗濯物の量は1日約1.5kgなので、4人家族の場合、毎日1回洗濯することになります。
《ドラム式の場合》
1回あたりの電気代は約28円、水道代は約15円(合わせて43円)。
43円×2555日=109,865円
《縦型の場合》
1回あたりの電気代は約79円、水道代は約46円(合わせて125円)。
125円×2555日=319,375円
水道光熱費は、縦型のほうが209,510円高くなりました。ドラム式の本体価格が縦型より10万円高かったとしても、十分に元が取れることになります。
家族の人数や洗濯物の量、洗濯機が使える年数によってこの計算式は変わってきます。購入時にランニングコストの差を出してみるといいでしょう。
その他の洗濯機を選ぶ際の節約視点
■風呂水給水機能洗濯機選びにおいては、風呂水給水機能が付いているかいないかもポイントです。洗濯とすすぎ1回を風呂の残り湯を使うか使わないかで、その後の水道代は大きく変わってきます。
■洗剤の自動投入機能
最近は洗剤や柔軟剤の自動投入機能が付いている洗濯機も多く販売されています。自動投入機能が付いている洗濯機を利用した筆者の知人の多くが、「洗剤や柔軟剤を買う頻度が減った」という感想を持っています。手で入れる際に、洗剤も柔軟剤も多めに入れてしまっているのでしょう。意識してきっちり計って入れるか、面倒であれば自動投入機能付きを利用すると節約になります。
洗剤自動投入になってから使用量が減ったという人が多い
ドラム式は縦型に比べて本当に大きいのか?
「ドラム式洗濯機は大きくて家に入らないから注意が必要」という話を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。筆者もドラム式は大きいというイメージを持っていました。しかし現在は、一概にそうともいえないようです。家電量販店の方に聞くと、ドラム式はコンパクトになってきているし、縦型は機能が付いて大きくなってきているということでした。 この画像は、どちらもパナソニック製で洗濯容量が12kgの洗濯機。公式サイトのサイズを見ると、左のドラム式(NA-LX127B)は639×722×1060mmでボディ幅604mm、右の縦型(NA-FA12V)は643×694×1086mでボディ幅600mmとなっています。縦型で洗濯容量5kgのNA-F5B1は、562×572×880mmです(いずれもホースサイズまで含めたサイズ)。もちろんメーカーによって差はありますが、ドラム式のほうが圧倒的に大きいということはないのがお分かりいただけるのではないでしょうか。逆にいうと、縦型でも大きいものはあるので、購入時には搬入経路の幅をしっかりと確認する必要があります。
今回は洗濯機のドラム式と縦型で電気代と水道代、どちらが節約になるかをご紹介しました。洗濯機の購入で迷っているかたはぜひ参考になさってください。