離婚

2022年振り返り!印象に残った著名人夫婦の決断3選、共通点は「自分たちらしさ」

2022年に印象に残った著名人の離婚とは? のべ3万5000件以上の相談にのってきた夫婦問題研究家の岡野あつこが、芸能人や著名人の夫婦関係にある共通点を解説しつつ、これからの時代のパートナーシップについて考えます。

岡野 あつこ

執筆者:岡野 あつこ

離婚ガイド

2023年がスタートして早くももうすぐ1カ月が過ぎようとしています。

昨年を振り返ると、これまでの結婚・離婚のスタイルにとらわれず、新しい夫婦の形を選ぶ芸能人が印象的でした。そこに共通しているのは「自分たちらしく」というキーワードだったのではないでしょうか。
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自分たちらしく生きていくための離婚や修復という決断。コメントを求められた多くのメディアのコンテンツや、私が配信しているYouTubeでも、特に大きな反響のあった芸能人夫婦の話題は以下の3つのケースでした。
<目次>

1. ryuchellさんとpecoさんの離婚

タレントのryuchellさん(27歳)とpecoさん(27歳)の離婚は、新しい時代のパートナーシップの形として多いに注目を集めた話題のひとつでした。

「女性を好きになることは、僕の人生の中で、初めての事でした」というカミングアウトもあり、父親や夫という立場に息苦しさを感じていたというryuchellさん。世間では、「ryuchellさん、ひどい。pecoさんがかわいそう」という声もあったようですが、私はそんなふうには思えませんでした。

というのも、これまで女性を好きになったことがなかったryuchellさんがはじめて好きになった相手のpecoさんと、「お付き合いして、結婚して、子どもまで授かった」ということ自体に、そもそも責任や信頼、愛情を感じるからです。

さらに、二人の子どもの年齢は4歳とのこと。両親の離婚の影響が比較的少ないうちだったのも不幸中の幸いだったかもしれません。もちろん、いくつであろうと両親の離婚の影響は免れないにせよ、もしも子どもが思春期真っ最中で両親の離婚に至るまでの複雑な過程を目の当たりにすることを想像すると、おそらく二人は「今がベストなタイミングではないか」と判断したのだと思います。

いつも私たちに新しい風を吹き込んでくれ続ける二人だからこそ、自分たちならではの新しいパートナーシップの形を見せてくれました。

>【動画】パートナーシップの新しいかたち
 

2. 佐々木希さんとアンジャッシュ渡部さんの夫婦関係修復

女優の佐々木希さん(34歳)と、お笑いコンビ・アンジャッシュの渡部建さん(50歳)のご夫婦が第2子を授かったというハッピーなニュースに、「なぜか、心がざわついた」という人も少数派ではなかったようです。

私も、多くのメディアから「子どもがいる妻が夫に浮気をされた後、さらにもうひとり子どもをつくるとは、どういう心境なのでしょうか?」という、いわゆる「サレ妻」の心理についての取材を受けました。

サレ妻がふたたび子どもを産もうと決める心理はいろいろですが、代表的な理由のひとつを挙げるとするなら、「再び子どもが誕生することで、とにかく夫に変わってもらいたい」ということがあるようです。

夫がしたことを「許した」のではなく、自分の怒りや嫌悪感などマイナスの感情を「封じ込めて」、夫婦関係を修復し、新しい関係を構築していこうと決心したのではないでしょうか。

「パートナーに浮気をされたからといって、すぐに離婚はできない」という事情を抱える夫婦にとって、自分たちらしい“落としどころ”が、新たな妊娠・出産という結論だった、ということになるのでしょう。

>【動画】佐々木希さんが「修復」選択、第二子出産へ
 

3. はあちゅうさんとしみけんさんの事実婚解消

ブロガーで作家のはあちゅうさん(37歳)とAV男優のしみけんさん(43歳)が、事実婚を解消したことも、事実婚のメリットとデメリットをあらためて考えるきっかけになるニュースでした。

入籍せずに一緒に暮らす事実婚には、一般的な結婚と同じようにメリットもデメリットもあります。

例えば、はあちゅうさんもコメントしていたように「離婚が簡単にできる」という特徴もあります。

一般的に離婚は莫大なエネルギーや時間を費やすことはもちろん、ケースによっては金銭的な問題も大きく絡んでくるもの。調停や裁判といったプロセスを踏む必要が出てくることもあります。ですが、事実婚なら「結婚していないのだから、離婚もしなくていい」ということになります。

これは、メリットでありデメリットともいえることです。戸籍への離婚の記載もなく、籍はキレイなままで“バツ”もつきません。デメリットは、法律上の夫婦ではないため社会的に認められない事柄がいろいろある、ということが大きいのではないでしょうか。

税金面では配偶者控除や医療費控除が適用されない、相続人の資格がないため問題が起こりやすい、入院や手術が必要な時に家族として同意書にサインができないなど、ハードルの高さを感じる場合も少なくないのです。

私は、こんなに離婚の多い時代だからこそ、相手のことを大嫌いになってドロ沼離婚劇を繰り広げて別れるよりは、お互いが憎しみの感情を持つ手前の段階で自立した関係でいられる事実婚というのは、自分たちらしく生きていくための選択肢として考えてもいいと思っています。

>【動画】はあちゅうさん「事実婚」解消は……
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2023年は、どんな結婚や離婚、修復がニュースになり、どんなことを私たちに教えてくれるのでしょうか。引き続き、注目していきたいと思います。
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