子育てが忙しいのにと怒りが湧いた
半年ほど前、夫が既婚者合コンに行ったことがわかったというのはサエコさん(42歳)。結婚して13年、11歳と8歳の子がいる。サエコさんの実家近くで暮らしていて母の援助もあるとはいえ、フルタイムの共働きは心身ともにきついという。「下の子が小学校に上がってから、夫は家事も子どものことも熱心にならなくなった。ホッとしたのかもしれませんが、上の子の中学受験にもあまり関心がない。コロナ禍で飲みに行く回数は激減したけど、それも復活させているようで帰宅が遅い日も出てきました」
揚げ句、月に数回、週末の昼間も出かけていく。そのまま帰宅が深夜に及ぶこともあった。夫は急な仕事が入ったとか、後輩からの悩み相談に乗っているとか、さまざまな理由をつけたが、「なぜかおかしい」という妻のカンが働いた。
「年末、夫と久しぶりにゆっくり話す時間があったんですが、そのとき夫が『僕らの仲間では』と口を滑らせたんです。仲間って何の仲間よと聞いたら、最近知り合った趣味のグループだという。この人、詐欺でもやっているのかしらと本気で心配になって、根堀り葉堀り聞いたら、ついに白状しましたよ。既婚者合コンに行って、いろいろな仲間を作っているって。それだけじゃないでしょと詰め寄ったら、そうやって知り合った女性とときどきふたりだけで会っているって」
その瞬間、サエコさんは「落ち着け、私」と自分に言い聞かせたそうだ。ここで叫んだら負けだ、冷静に勝負しなければいけない、と。
「夫は『誓って浮気などしていない。本当に純粋に趣味が合うだけなんだ』と。うちの夫、実は相当なフィギュア好き。でも私は興味ないし、子どもたちも乗ってくれない。だから趣味が合う人とネットでグループを作っていたんだけど、リアルで会って話したくなったそうです。だったら既婚者合コンじゃなくて、ネットで作ったグループの人に会えばいいのにと言ったら、『いや、なかなか都内の人がいなくて』と苦しい言い訳をしていましたね」
ときどき会うようになった女性は30代既婚者で、やはりフィギュア好きを誰にもわかってもらえないという。サエコさんの夫は、ONE PIECEやドラゴンボールなどのフィギュアが好きなのだそうだ。
「美少女フィギュアじゃないんだからいいだろと夫は言うんですが、そういう問題じゃない。夫が好みで自室に飾っているのはいいけど、趣味が一致する人を見つけるために、なぜわざわざ既婚者合コンを使うのか、相手は女性でなければいけないのか。まったく納得できないわけですよ」
確かに。夫は追及されて、思わず自分の趣味と結びつけてしまったのだろうか、あるいはたまたま相手の女性がフィギュア好きだったため、そんな言い訳を思いついたのだろうか。
>夫が「合コン」に行った真の目的は……