食生活・栄養知識

顎口虫とは?症状・対策法…アニサキスだけではない魚の寄生虫

【管理栄養士が解説】魚の寄生虫で注意が必要なのは、アニサキスだけではありません。シラウオなどの淡水魚を加熱せずに生で食べると、顎口虫(がっこうちゅう)が原因で、皮膚のかゆみや腫れなどの症状が現れることがあります。顎口虫が寄生する主な魚と、食べる際の注意点、対策法をご紹介します。

平井 千里

執筆者:平井 千里

管理栄養士 / 実践栄養ガイド

シラウオの生食が原因で、皮膚にかゆみ・腫れ? 原因は寄生虫

シラウオ

淡水魚の生食は危険? 顎口虫という寄生虫が原因で、皮膚のかゆみや痛みが起こることも

昨年、シラウオを食べた130人に謎の皮膚病変が現れたというニュースが報じられました。皮膚のかゆみや腫れの原因として判明したのが、シラウオに寄生していた「顎口虫(がっこうちゅう)」という寄生虫です。聞きなれない名前の寄生虫だと思いますので、どのような特徴があり、どう注意すればよいのかを解説します。
 

顎口虫とは……目視不可の線虫、注意すべき主な魚

顎口虫の読み方は「がっこうちゅう」。ヒモのような見た目の「線虫」です。生物学的には全く別のものですが、ごく小さなミミズのようなイメージです。大きさは種類によって違いますが、0.6~4mm程度。4mmのものならば見つかるのでは? と思うかもしれませんが、小さい上に、色が透明に近いので、目視で見つけることはほぼ不可能だと言ってよいでしょう。

シラウオ、ドジョウ、ヤマメ、ライギョ、ナマズなどの淡水魚に寄生していることが多いのですが、イヌやネコ、ブタやイタチの胃や食道の壁に寄生していることもあります。
 

顎口虫の侵入経路・症状……皮膚のかゆみだけではなく、失明したケースも

顎口虫の卵をミジンコが食べ、そのミジンコを食べた淡水魚を生で食べると、人間の体内にも顎口虫が生きたまま侵入してしまいます。体内に侵入するのはほとんどが幼虫です。体内に侵入した幼虫は成虫になることなく、体表近くを這いまわります。その這った跡が皮膚の腫脹やみみずばれ等になり、かゆみや痛みを引き起こすのです。まれにではありますが、目や脳神経に迷走し、失明してしまった例もあります。
 

顎口虫は加熱すれば大丈夫! 対策法と注意点

顎口虫を生きたまま食べてしまうのは避けたいもの。一番大切なことは、生のままでシラウオ、ドジョウ、ヤマメ、ライギョ、ナマズなどの淡水魚を食べないことです。淡水魚も動物の肉も、きちんと加熱調理してあれば問題ありません。加熱調理した淡水魚は安心して召し上がってください。

東南アジア諸国では、顎口虫が広く高密度に分布していることが知られています。東南アジア諸国では、高級ホテルのレストランなどで出されたとしても淡水魚の刺身などは食べない方がよいでしょう。旅先などで珍しい生魚を見つけると、経験として食べたくなるものですが、十分に気をつけながら旅を楽しむようにしましょう。

万が一、淡水魚の刺身を食べてしまって、皮膚のかゆみや痛みなどの異変を感じた場合は、医師の診察を受けてください。
 
■参考
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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