鉄道/はじめての鉄道旅行

切符の種類と買い方(2ページ目)

JRの乗車券や指定券の計算方法には一定のルールがある。検索サイトで簡単に計算できるが、基本を押さえておけば、お得かどうか分かるだろう。

野田 隆

執筆者:野田 隆

鉄道ガイド

乗車券の知られざるルール

オーダーメイドの切符
一筆書きルートなら割安の乗車券が作れる。写真は、東京発、長野新幹線・篠ノ井線・中央東線経由で東京へ戻る、東京都区内発東京都区内行きの切符
フリー切符が使えず、オーダーメイドの切符が必要な場合も多々あるので、JR運賃計算の基本はしっかり押さえておきたい。

●長距離になるほど割安に
遠距離逓減制という。次の例を見れば分かるように、運賃は距離に比例していない。
・東京~名古屋 366kmで6090円(キロあたり16.6円)
・東京~新大阪 552.6kmで8510円(キロあたり15.4円)
・東京~岡山 732.9kmで10190円(キロあたり13.9円)
・東京~博多 1179.3kmで13440円(キロあたり11.4円)

●100キロ以上の乗車券なら、途中下車できる!
名古屋駅
関西方面へ行く途中で名古屋に立ち寄る場合は、通しの乗車券購入の上、途中下車するとトクだ
大都市近郊区間内でなければ、100キロ以上の乗車券は途中下車可能である。従って、乗車券はなるべく1枚にまとめた方が割安になる。

<例>東京から名古屋で下車し、その後大阪へ行く場合。
乗車券を2枚用意すると
・東京~名古屋=6090円、名古屋~大阪=3260円、合計で9350円

乗車券を1枚にまとめると
・東京~大阪=8510円、名古屋で途中下車できる(840円のトク)有効期間は4日。

●幹線と地方交通線で異なる運賃体系
高山本線
高山本線は特急も走る「本線」だが、JR路線の分類では「地方交通線」である
東京から飛騨高山へ行く場合を例にとってみよう。

・東京~名古屋~岐阜=東海道本線(名古屋までは新幹線利用だが運賃は在来線利用と同じ)→ 396.3km
・岐阜~高山=高山本線→ 136.4km。

ところが、運賃計算では、このキロ数を単純には足せない。高山本線は地方交通線であり、「幹線+地方交通線」のときは、地方交通線は換算キロ(地域によっては「擬制キロ」と言い、営業キロより多めの距離となっている)を利用する(市販の時刻表に併記されている)。

よって、396.3+150.0(換算キロ)=546.3kmとなり、このキロ数を「本州3社内の幹線の運賃表」にあてはめる。運賃は8510円である。

●新幹線と在来線特急の乗り継ぎ割引
ワイドビューひだ
新幹線と在来線特急を乗り継ぐときは、在来線特急は割引料金が適用される。写真は「ワイドビューひだ」
また、特急券(指定席)だが、新幹線「のぞみ」名古屋まで4690円、特急「ワイドビューひだ」名古屋~高山=2610円にもかかわらず、同時に購入すれば、新幹線乗り継ぎ割引が適用となる。

つまり、「ひだ」は半額の1300円で済み、合計金額は5990円である。新幹線と在来線特急を乗り継ぐ場合は、この割引制度のことを覚えておこう。

もっとも実際に計算するときは、「えきねっと」などのサイトで、乗車駅と下車駅を入力して検索すれば間違いなく計算してくれるだろう。

<関連サイト>
名古屋発、特急「ひだ」で行く高山本線の旅
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