スマートフォン

スマホは利き手と反対の手で握る! 60代以上の親にスマホ操作を伝える際の基本ポイント

スマホを初めて手にした親に、何を教えておけばいいか? どこまで教えればいいか? ササっと使えてしまう私たちには簡単だと思っていても、親世代にはわからないことも多いです。今回はスマホのレクチャーについてお伝えします。

津田 マリリン

執筆者:津田 マリリン

iPhoneアプリガイド

60代以上の親に伝えたいスマホの基本について、機種選びのポイントホーム画面の作り方を紹介してきました。今回はレクチャー編です。

親と一緒にスマホを購入し、機種の用意と設定まで終えたら、操作は親自身に覚えてもらわなくてはなりません。触っていれば分かるものだと考えてしまいますが、親世代や初心者の人にはそういうわけにもいきません。かといって多くを教えすぎても覚えられません。

延べ7000人以上の高齢者にスマホの使い方を教えてきた筆者が、60代以上の親に伝えたいスマホの基本操作と、操作をどこまでレクチャーしておくかをお伝えします。私たちが“当たり前”に思って忘れがちな点もありますよ。
 

スマホの持ち方から

まずはスマホの持ち方です。ばかばかしいと思われるかもしれませんが、持ち方によって操作の仕方も変わってしまうので大事なポイントです。
画面に指が触れず、側面のボタンも押せる正しい持ち方

画面に指が触れず、側面のボタンも押せる正しい持ち方

 
親指が画面に触れてしまっているので操作ができなくなる

親指が画面に触れてしまっているので操作ができなくなる

スマートフォンは、利き手と反対の手で、握るように持ちます。この持ち方をしない人が実はとても多いのです。

手帳タイプのケースを好む人が多いのと、親指を画面に置いて支えて持つ人をよく見受けます。文庫本などを持つような感じですね。画面が保護されて安心でしょうが、手帳タイプのケースは通話もしにくいしカメラを使う際も持ちにくいのでおすすめしかねます。

握るように持つのは、画面に他の指が触れてしまっていると押したい場所をタップしても反応しないので他の指が触れないようにすることと、側面の電源ボタンや音量ボタンを押しやすくするためです。次の項目にもつながりますので、しっかりマスターしてもらいましょう。
 

スマホのロック解除とスリープ

次はスマホのロック解除と使い終わってからのスリープの仕方を教えます。

前回の記事で「生体認証によるロック解除はおすすめしない」とお伝えしたとおり、パスコードによる解除に慣れてもらいましょう。

まずは画面を点灯(電源ボタンor画面タップ)させて、上下か左右いずれかの方向にスライドさせます。このときに「勝手に解除されないように、スマホに“今から使うよ”って意思表示するんだよ」と説明するといいでしょう。

パスコードを入力して(機種によっては入力後にenterやOKボタンをタップ)ようやくホーム画面が開きます。使い終わったらそのまま放っておいてもスリープ状態になりますが、電源ボタンを押して画面消灯に慣れてもらうといいですね。

このときに正しいスマホの持ち方が生きてきます。ケースによっては側面のボタンを押すのにそこそこの握力を要するものもあります。どうしても片手で押せないようでしたら、持ち手で支えながら反対の手の指で押すといいでしょう。

押しにくい状態のケースや持ち方だと、電源ボタンがうまく押せずに「電源を切る」「再起動」「セーフモード」などが表示され、意図せず電源を切ってしまったりアプリが使えない状態になったりしてしまいます。
 

ホームボタン・戻るボタン

最初のうちは、画面に突然ポップアップが表示されたり意図しないページやアプリが起動してしまったり(誤動作など)、何かと戸惑うことが多いです。

そしてほとんどの人はポップアップに書かれていることを読まない傾向にあります。「読んでも意味が分からない」と思っているようです。アプリを終了する際だけではなく、よくわからないポップアップや画面が出てきたらホーム画面に戻るように伝えておきます。

ポップアップに「はい・いいえ」「許可する・許可しない」などの選択肢が出ている場合、たいていは一旦「いいえ」「許可しない」にしておくと意図しない動作や設定になることは防げるでしょう。

タップする場所を間違えて意図しない画面に遷移してしまった場合には、戻るボタンで戻る方法を伝えておきます。

タスクボタンに関しては、「使った機能の履歴が分かるボタンだけど、特に使わなくていいよ」くらいの簡単な説明でいいかと思います。
 

コミュニケーションツール

連絡を頻繁に取りたい家族や友人の連絡先やLINEトークは、前回の記事でもお伝えしたようにホーム画面にウィジェットを設置しておけば、それほど難しくないと思います。
 
・電話
発信よりも着信に戸惑う人が多いです。まずは一緒にいながら家族で発信&着信のやり方を教えておきましょう。「緑のボタンは通話開始(発信と受電)、赤のボタンは通話終了」の説明で分かりやすくなります。

受電の場合、スマホはロック状態と解除状態で確認してください。特にロック状態でかかってきた電話はタップだけで出られないようになっています。(誤動作防止のため)ロック状態では「電話に出ますよ」という意思表示(通話ボタンを上下左右にスライドするなど)が必要です。

余談ですが、昨今は通話料が高いという相談が多いそうです。理由はスマホの画面が通話中でも別の画面に遷移可能であること(※一部機種では画面遷移しない設計になっている)。通話終了時に終了の赤いボタンではなく、ホームボタンや電源ボタンを押してしまってつながったままという事例が非常に多いです。どちらか一方が終話すればいいのですが、スマホ初心者同士の場合に起こりがちです。「赤い受話器のボタンで通話を終了する」点をしっかり覚えてもらいましょう。
 
・メール
これまでどのメールツールを使っていたかによって、その人にとって使いやすい場所に設置しておきます。メールやSMSは詐欺も多いです。迷惑メール(SMS)拒否設定もありますので設定しておくようにしましょう。それでも変なメールは来るものですので、知らない(登録していない)メールアドレスや番号からのものは“無視する”に尽きます。

メールの削除方法は、余裕があるなら教えておきます。覚えられそうになければ紙に書いて残しておくか、放置してもらいましょう。大事な連絡は電話か別の手段(LINEなど特定の相手とのみやり取り可能なツール)で行うよう、これを機にツールを切り替えるのもおすすめです。
 
・LINE
利用者が多いLINEなので、コミュニケーションの幅が拡がりスマホの楽しさを味わえるツールでもあります。また安否確認という意味でも優れています。文字入力は最大の難関なので、スタンプとボイスメッセージの方法を伝えておきましょう。

スタンプは使えそうなものをいくつか送信して、履歴に残しておけば探すのも簡単です。音声は「+」から「ボイスメッセージ」で、マイクのボタンを押している間は録音します。指を離すとそのまま送信されます。家族であれば失敗してもいいので、まずは連絡手段として機能する方法から覚えてもらいましょう。
 

代わりにやってあげるだけじゃなくやり方も教える

以上の基本機能が問題なく操作できるなら、あとはご家族も協力してなるべくやり取りしてあげてください。「(お孫さんの)写真が送られてくるのがうれしい」と笑顔になる人もいます。楽しみながらスマホに触れる習慣と操作に慣れていくのは、コミュニケーションが一番良いでしょう。

他に「写真を撮りたい&送りたい」「よく行くお店のアプリを使いたい」など、スマホでやりたいことが明確にあるなら、ぜひ使えるように設定とレクチャーしてください。

スマホは難解なものではなく、人生をサポートしてくれる頼もしい存在です。私たちにしてみれば、スマホがない生活なんてもはや想像もできないですよね。もしスマホの使い方で困っている人がいたら、やってあげるだけではなく「ここを押すんですよ」って簡単な説明も添えると喜ばれますよ。


【関連記事】
60代以上の親に伝えたいスマホの基本! 機種は子どもと同じものを選ぼう
60代以上の親に伝えたい、スマホ初心者でも迷わないホーム画面の作り方

 
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※機種やOSのバージョンによって画面表示、操作方法が異なる可能性があります。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます