1月優待銘柄の傾向(29銘柄)
年が明け、1月はご祝儀相場ともいわれるほど上昇しやすい月です。今回は1月の優待銘柄をピックアップし、上がりやすい相場の中で、株価が例年軟調に推移する傾向にある優待銘柄をご紹介します。株価が下がりやすい銘柄を事前に把握することで、不用意に損失を被るリスクを回避することができるでしょう。
まず初めに、1月の一番初めの営業日である大発会に、1月末権利確定銘柄(29銘柄)を購入し、優待を得られる権利が発生する権利付き最終日の前に売却した場合の成績を見てみましょう。権利付き最終日の前に売却することで、最大限のパフォーマンスをみることができます。
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検証対象:1月の優待銘柄(計29銘柄)
検証期間:2000年1月1日~2022年11月30日
1銘柄当たりの投資金額:20万円
買い条件:1月の最初の営業日の寄り付きで買い
売り条件:1月24日、25日、26日のいずれかの営業日に売り
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1月頭に1月末権利確定銘柄(29銘柄)を購入し、1月末の権利確定前に売却した場合について検証を行います。仮に、勝率が50%以上で損益がプラスならば、1月は株価が上がりやすい月となります。反対に損益がマイナスであるならば、1月は下がりやすい月といえます(※)。
検証結果
以上のルールで過去のデータを用いて検証した結果は、以下の通りです。- 勝率:44.39%
- 勝ち数:182回
- 負け数:228回
- 引き分け数:13回
- 平均損益(円):-269円 平均損益(率):-0.13%
- 平均利益(円):12,205円 平均利益(率):6.10%
- 平均損失(円):-10,242円 平均損失(率):-5.12%
- 合計損益(円):-113,945円 合計損益(率):-56.98%
- 合計利益(円):2,221,286円 合計利益(率):1,110.69%
- 合計損失(円):-2,335,231円 合計損失(率):-1,167.67%
- PF(プロフィット・ファクター):0.951
- 平均保持日数:19.99日
以上が、1月株式市場の優待銘柄(29銘柄)の検証結果です。2016年、2022年の大きな下落が目立ち、勝率は44.39%、平均損益は-0.13%となっています。勝率が5割を下回っており、1トレードあたりの平均損益がマイナスであることから、1月の優待銘柄は下がりやすい傾向があるといえるでしょう(※)。
では次に、株価が下がりやすい傾向のある1月優待銘柄の中でも、特に株価が下がりやすい傾向にある優待銘柄をご紹介します。
1月の低成績優待ランキング
図表は、先ほどの1月の優待銘柄(29銘柄)を対象とした検証において、勝率が50%以下かつ平均損益がマイナスの銘柄のランキングです。
<7683>ダブルエー
<3320>クロスプラス
<8142>トーホー
これらの銘柄は1月優待銘柄の中でも、特に株価が下がりやすい傾向があるようです。クロスプラス<3320>やトーホー<8142>といった銘柄は、直近約20年間の勝率が2割程度で、株価が大きく下落した2016年や2022年以外でも株価が下落しており、統計的にみて軟調に推移する傾向があると判断できます。これらの銘柄をトレードする際は注意が必要でしょう。
簡単な検証結果でしたが、本記事で紹介した1月優待銘柄の傾向は、投資戦略を考える上での有効な判断材料のひとつになるでしょう。
これらの数字は、あくまでも過去の検証結果ですので、これから先の未来でも同様の結果になる保証はありません。しかしながら、統計的な背景がある数字は、安心してトレードに臨むことができる心強い味方となってくれるでしょう。みなさんも投資する際には、ぜひ一度検証してみてくださいね。
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※あくまでも選定した29銘柄(優待銘柄)における傾向として示しています。
(このテーマでの検証については、【システムトレードの達人】を使って検証しています。記事の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容の正確性および安全性、利用者にとっての有用性を保証するものではありません。当社及び関係者は一切の責任を負わないものとします。投資判断はご自身の責任でお願いします)