では実際に、第1世代と第2世代とでは、どのような違いがあるのでしょうか。第1世代を現役で使い続けることは難しいのでしょうか。Apple Pencilの新旧の違いを見ていきます。
ちなみに筆者は、どちらも利用したことがあります。iPad(第8世代)を愛用していた当時はApple Pencil 第1世代を使っており、現在はiPad mini 6でApple Pencil 第2世代を愛用しています。
そんな筆者の主観的な感想も含めて、Apple Pencil 第1世代と第2世代の違いを紹介しましょう。
書き味については大きな差は感じられない
まず重要なポイントですが、ペン先の質感や書き味については、新旧で違いはありません。「書く」「描く」点においては、機能的な差はないのです。ペン軸の長さや重心の位置には違いがあるので、書いているときに感じている疲労感や、“ペンとしての書きやすさ”のような点については差があります。しかし「ペン先を通じてiPadに書く」という“書き味”においては、違いがありません。
「第2世代のほうが性能が良い」「筆記が描写されるタイムロスが少ない」「画面を滑らせたときの感触が良い」などといった違いはないので、その点は安心してください。
ではどこに違いがあるのか。それは主に「利便性」「使い勝手の良さ」です。
「書き味」には差がないが「書きやすさ」に違いがある
先ほどご紹介した通り、第1世代と第2世代では長さと重心の位置、そして表面の肌触りが異なります。重量や直径などには違いがありません。第2世代のほうが1cmほど短くなっており、コンパクトです。たった1cmと思うかもしれませんが、実際に手に持ってみると大きな差だと感じます。重心の位置の関係もあってか、実際に手に持って使ってみると、第2世代のほうが描きやすさを感じますね。
また表面の素材にも違いがあります。第1世代はつるつるとした素材になっているので、指先を滑る感覚があります。第2世代はマットな肌触りになっているため、指先に吸い付くような感覚があり、安定感を感じながら持つことができます。
実際に使ってみると、これらの違いは大きく感じられ、「ペンを走らせる楽しさ」は第2世代のほうがより強く感じられました。
利便性については大きな差を実感する
使い勝手や携行性など、「書く」という行為以外の面でも、第2世代のほうが大きく上回っています。正直、これらの「使いやすさ」については無視できないほどの差があります。「書き味が一緒なら、少しでも安い第1世代で十分では?」と思われるかもしれませんが、筆者はぜひ第2世代を推したい。それほどまでの差なのです。
■充電方法の違い
第1世代は、ペンの後ろについているキャップを外すと、Lightning端子が出現。それをiPadなどに直接挿し込むことで充電できます。 一方、第2世代はマグネット式。iPadに近づけるだけでカチャッとくっつき、これだけで充電が開始されます。「携行」と「充電」が同時に可能なデザインとなっています。 これについては、第2世代の利便性よりも、第1世代の不便さが目立ちます。
第1世代は、充電しながらだとiPadの操作に多くの制限がかかります。ペンが突き刺さった状態だと「どこかに引っ掛けて壊してしまうのでは……」という不安がありますし、使用できるiPadの向きが限定されてしまいます。
■キャップの有無
第1世代には、ペンのお尻にキャップが付いていて、これを外すと充電用のLightning端子が出てきます。一方で第2世代は、ペン先の交換以外に取り外せる部品はありません。
これも意外と大きな違いです。第1世代は充電するときに必ずキャップを外すことになりますが、そうするとそのキャップの置き場所に困ってしまうんですね。
無くしてしまったり、割れてしまったりと、なにかとトラブルのタネになりがちなパーツなのです。
■第2世代はコロコロ転がらない 第1世代は軸が丸くなっているので、机の上に置いておくとコロコロと転がっていってしまいます。
第2世代はペン軸の一部が平らになっています。これにより、転がっても途中でピタッと止まります。
地味ですが、結構な使い勝手の違いを感じるポイントです。
■ダブルタップによる消しゴムツールへの変更
第2世代では、ペンの持ち手の部分を指で2回タップすると、ペンツールと消しゴムツールを切り替えられます。これはApple純正のアプリに限らず、一般的なノートアプリ、メモアプリ、お絵かきアプリなどで有効です。
いちいちペンから手を離したり、iPadの画面を触ることなく、消しゴムツールが使えるのは非常に便利。使ってみるとわかりますが、iPadでの物書きがとても楽しく、ストレスフリーになります。
まとめ
「どちらがおすすめですか?」と聞かれたら、筆者は「少しくらい高いお金を払ってでも、第2世代を買うべきだ」と答えます。それくらい違いを感じています。1つ1つは小さな違いに感じるかもしれませんが、実際に使い続けてみると、快適さに大きな差があることに気づきます。
「使い勝手の良し悪し」というのは、無視できない性能差です。書き味だけでなく、ご自身の生活スタイルに合うかどうかをキチンと検討するのがおすすめです。