ではどうやって見抜いたらいいのだろうか。経験者の証言からヒントをもらった。
<目次>
経験者の証言1 | いつもと違うことをする
「うちの夫、以前は帰宅するとまず洗面所で手洗いとうがいをし、その後は食卓を覗いて『おお、うまそう』と言ったり、子どもたちと言葉を交わしてから着替えに行くのがパターンでした。でもあるときから、洗面所から着替えに直行するようになった。私や子どもと顔を合わせるのを避けるというか。それほど露骨ではないんだけど、帰宅したらまずひとりになれる場所に向かう。それがなんだか違和感があって……。その後、クレジットカードの明細から、夫が妙なお金の使い方をしているのがわかり、問い詰めたら『浮気はしていない。人助けだ』と変な言い訳をしていました」ミヤコさん(40歳)は、3年前のできごとをそう話す。彼女自身は、あのころ夫は浮気をしていたはずだと感じている。
「もともと家族思いで子ども大好きな夫ですから、どこか後ろめたかったんじゃないでしょうか。だから私は子どもたちと顔を合わせずに着替えに行って、一息ついて気持ちを切り替えてから戻ってきたんじゃないかと思う。あんなことは初めてでした。いつもと違う雰囲気、いつもと違う行動をとったら怪しいんじゃないかと思います」
後ろめたさから、妻にやたらと優しくなる夫もいるようだ。それまで花など買ってきたこともないのに急に買ってきたり、妻が気にしていたケーキ屋さんにわざわざ予約して行って買ってきたり。
経験者の証言2 | 精神的に不安定になる
怒ったことなどない夫が急に怒りっぽくなる、部屋の外や庭を見たりしながらぼんやりする、子どもへの態度が微妙に変わる、気持ちのアップダウンが激しいなどからも、夫の浮気を確信することが多いようだ。「恋をすると気持ちが不安定になるから、こういう場合はけっこう本気かもしれません。うちの夫はそうでした。勤め先の部下と1年にわたって恋をしていたんです」
サキさん(39歳)が気づいたのは半年ほどたったころ。どうやら軽い気持ちで付き合いだしたものの、夫のほうが本気になりかけていたらしい。
「夫は飲食関係に勤めています。相手も既婚者で、料理のプロでもある。ときどき夫にお弁当を持ってきたりしてくれたみたい。私は料理が苦手で、それは夫もわかっているはずなのに、あるときからあからさまに『もうちょっと味の工夫をしたら?』と言い出して。以前は『いいんだよ、料理が苦手でもサキはサキだから』と言ってくれていたのに。あれ、誰かと比べているんじゃないかなと思ったんです」
その後も夫は「きみはだいたい、努力をしないタイプだよね」「素直じゃないんだよな」などとつぶやくようになった。
「ふいに、努力する素直な人と付き合っているの?と言ってみたら、夫の顔色が変わって目がキョロキョロ。何を言ってるんだと急に怒鳴ったので、もうこれは真っ黒だなと感じました」
その後も問い詰め続け、夫はしらを切り続けるという不毛な状態が半年ほどあって、ついに夫は白状したという。家にいながら、夫はいつも彼女のことを考えていたに違いないと思うと、サキさんは今も悔しくて眠れなくなることがある。
「子どもが小さいから離婚は思いとどまりました。夫は彼女とは別れたと言いますが、本当かどうかわかりません。どうやら夫は無意識のうちに彼女と私を比べていたようですね。あんなことを言った、こんなことを言ったと私が責めても、夫はほとんど覚えていないというんです」
男性も本気で恋をすれば不安定になるものなのだ。
経験者の証言3 | 外にいる時間を増やそうとする
急に残業が増えたり、習い事を始めるなど、外にいる時間が増えるのも怪しい。家にいる時間を減らそうと画策しているのかもしれない。「夫が『これからは趣味をもたないといけないと思う』と言い出したのが4年前。それまで仕事最優先だったのに、なんだか変だなとは思ったんですよ。家族のために料理を習うなんて言って、土曜日に出かけていくようになりました」
マユミさん(43歳)が料理学校なのかカルチャースクールなのかと聞いても、夫は詳しいことは言わない。とにかく楽しみにしていてよと言い、土曜日には買い物をして帰ってきて料理をするようになった。子どもたちは喜んだが、彼女は不審な気持ちを拭えなかった。
「土曜日は朝から出かけていくんです。帰宅は夕方。料理学校ってそんなに長い時間やってるのかなと不思議でした。それに夫は妙に身だしなみを気にするようになってもいたので、とにかくおかしいと胸騒ぎがしてならなかった。それであるとき、子どもたちを近所に住む私の実家に預けて、夫を尾行したんです」
夫は最寄り駅から4つほど離れた駅で降り、5分ほど歩いて、あるマンションに入って行った。エレベーターを見ていたら、夫が降りたのは5階。マユミさんも行ってみると、ワンフロアに4部屋ほどがあった。夫はどの部屋にいるのかわからない。ちょうどそのとき宅配便が来て、ある部屋のチャイムを鳴らした。玄関のドアが開いて顔を覗かせたのはなんと夫。マユミさんは思わずその部屋に突進していった。
「夫が私に気づいてうわっと叫んだのと、奥から『どうしたの?』と女性が出てきたのと私が突っ込んでいったのがほぼ同時だったように覚えています。そこからは地獄絵図でしたけど、いろいろあって今も結婚生活は続いています。夫は相手女性と別れました」
料理学校に行くといって彼女の部屋に行き、料理を教わってレシピまでもらっていたらしい。
「料理学校という言葉がどうしても信じられなかったんです。夫が“らしくない”ことを始めたら疑ったほうがいいかもしれませんね」
一度あることは二度もあるかもしれない。今後も目を光らせていかないと、とマユミさんは言う。
夫の些細な変化から怪しいと睨んだ女性たち。自分が覚えた違和感、脳裏に点る夫の言動への黄色信号は見過ごさないほうがいいかもしれない。
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