しかし、人生にはさまざまな万が一の場合があります。独身であれば、何かあってもひとりで対処しないといけないこともあるでしょう。何も準備していないと、不安ばかりが募ってしまいますので、早いうちからリスクを想定し、備える構えが必要です。今回は、おひとりさまが備えたいリスク・保険についてまとめます。
おひとりさまにおすすめの保険とは
おひとりさまが必要とする保障には何があるのか
おひとりさまのリスクとして優先的に考えたいのは、働けなくなった場合ではないでしょうか。とくに1人暮らしをしているおひとりさまであれば、万が一のケガや病気で働けなくなったときのことは想定しておきましょう。働けなくなった場合を保障するのは、民間の保険に「就業不能保険・所得補償保険」というものがあります。
民間の保険を検討する前に、自分がその保障を必要としているかの見極めが必要です。そのため、まずは「就業不能保険・所得補償保険」それぞれの詳しい説明を行います。
おひとりさまが備えておきたいリスク(1)病気やケガで働けなくなったら
就業不能保険は、病気やケガで仕事への復帰が困難な状態が、60日または180日以上継続していると認められた後、保険契約で決められている期間(60歳または65歳ほどまで)の長期にわたり、給付金が支払われます。就業不能(就労困難)状態の定義は、それぞれの保険会社ごとに決まっています。また、病気またはケガのみが対象になるものもあれば、精神疾患なども該当する場合もあります。おひとりさまが備えておきたいリスク(2)病気やケガでドクターストップがかかったら
所得補償保険は、病気やケガをして、医師からドクターストップがかかったときに、月ごとに決められた保険金が毎月支給されます。医師の診断を受けた後、4~7日の免責期間の経過後から最長で2年間の収入(所得)を保障します。この場合、働けない状態であれば、入院しなくても在宅での療養で、保険金が受け取れます。就業不能保険と所得補償保険の違いとは
就業不能保険と所得補償保険では「保険期間」が違います。就業不能保険では、働けない状態が「60日間・180日間」など続いた後、「60歳まで」「65歳まで」の長い間が保障期間となっているのに対し、所得補償保険は、ドクターストップがかかった後、免責期間を経て、最長で2年間という短い期間のみ補償します。公的保障や貯金が足りない人は、民間の保険で保障を上乗せをする
以上のように「就業不能保険・所得補償保険」を紹介しました。おひとりさまが保険の加入を考えるときは、まずは公的保険での保障をまず確認しておきます。公的な保障や手元の貯金では心もとないという人は、就業不能保険と所得補償保険で補いましょう。
●「傷病手当金」がない自営業者は所得補償保険に加入しよう
所得補償保険は、最長2年という短い期間の収入を補償するものであり、それとよく似た公的保険の給付に健康保険からもらえる「傷病手当金」があります。
傷病手当金とは、病気やケガで会社を休んだ場合、休んだ日から起算して4日目以降から、通算1年6カ月の間、給料の約2/3を傷病手当金として受け取ることができるというものです。傷病手当金は、会社員や公務員が加入する健康保険からは支給されます。そのような場合であれば、所得補償保険に入る必要性はあまりないといえます。
一方、自営業者などが加入する国民健康保険には、傷病手当金という給付金はありません。そのため、自営業者の方などが病気やケガで働けなくなれば、その時点で収入が得られなくなり、生活費や治療費などを手元の貯蓄だけで賄うことになるでしょう。ある程度の余裕資金があれば問題ありませんが、もしかしたら不足するかもしれないと思う場合は、所得補償保険で収入減をカバーすることを検討しましょう。
参考:全国健康保険協会「傷病手当金について | よくあるご質問」
●会社員・公務員、自営業で、手元に余裕資金が少ない場合は就業保障保険を検討しよう
就業保障保険は、働けない期間が一定以上継続した後、その状態が続けば60~65歳までの期間の収入を保障するものです。そういった状況というのは、たとえば、病気、ケガなどで後遺症が残るような場合が考えられるのではないでしょうか。
そのような状態になれば、働けない期間は2年どころではなく、場合によっては、それよりも長い期間、働けなくなってしまうこともあるかもしれません。その場合、厚生年金と国民年金の両方に加入している会社員・公務員であれば「障害基礎年金+障害厚生年金」が支給され、国民年金のみにしか加入できない自営業者などであれば「障害基礎年金」が支給されます。
参考:日本年金機構「障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額」
障害を負って働けなくなった場合でも、会社員・公務員の方が自営業者の方よりも公的保障は手厚いといえます。しかし、障害基礎年金・障害厚生年金で受け取れる年金は、そう多いものではなく、最低限と感じるかもしれません。そんな場合、就業不能保険があれば、不足と感じる部分を補うことができるでしょう。会社員・公務員の方も、自営業の方も、もし手元に余裕資金が少ない場合は、加入を検討してみてもよいかもしれません。
まとめ
おひとりさまが働けなくなったときに、公的保障を頼るのは当然ですが、さらに民間の保険から保険金をもらえれば生活の安心につながります。とくに自営業の方は、公的保障が薄いため、万が一のときが心配です。その際、公的保険で保障される部分と、ご自身の余裕資金との兼ね合いを考えながら、自分にあったものを選びましょう。
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