砂金掘り名人である筆者が採った砂金
本当にブームになっているのか、実感のない人も多いでしょう。しかし、砂金採り道具の販売店が繁盛していること、2022年になってから筆者のもとにテレビ撮影が4回、ラジオ生放送が1回など、着実に取材が増加していることなどを踏まえると、実際に注目度がアップしているのは間違いないのかもしれません。
いったいなぜ砂金採りに注目が集まっているのか。それは、金価格が高騰していること、コロナ禍でも人と接することなくレジャーとして楽しめること、この2つが主な要因ではないかと考えられます。
「金」を持つメリットとは?
古代から、金は貨幣や財産として価値をなすものであり、恩賞用などにも利用されていました。現代で金を持つメリットとしては、有事の金といわれるように不測の事態が発生した場合の資産として持つ意味があるほか、インフレ対策として有効な側面を指摘することができます。最近では、コロナ禍に伴う移動制限やロシアによるウクライナ侵攻等に伴うインフレが世界中で発生しており、その結果金に注目が。また、円安により金価格が高止まりしている点も、金を持つ人にとってメリットになっています。
「砂金」の価値とは? 金価格より高い?
それでは、砂金の価値はどうなのでしょうか? 砂金は、純度100%の金ではありません。自然金は銀や銅など他の金属なども含まれています。そのため、純粋に金の価値で換算する場合には、純度によって価値は変わってきます。では、金と砂金であればどちらのほうが価値が高いのでしょうか? 実は、砂金のほうが価値は高いのです。
砂金は、形状が1つ1つ異なり、産出地域によってもさまざまな特徴があります。そのため、マニアとして収集する際の砂金の価値は金価格よりも高くなることが多く、「ナゲット」と呼ばれる1グラムを超えるようなレアな砂金(実際は金の塊)はグラム数万円などで取引されることも多いのです。
なお、砂金採り体験施設で採れる砂金は、純金を削って撒いているところもあれば、アメリカやオーストラリアの天然の砂金を撒いているところもあります。中にはこのような体験施設の砂金を集め、指輪を作る人もいます。数百粒採取できれば、砂金採り体験施設での金で、指輪も作れるかもしれません。
「砂金」の採り方、採取場所
砂金採りの道具「パンニング皿」
具体的な採取場所、採取の仕方や必要な道具などは、書籍等を参考にするのが役立ちますが、簡単に説明すると、砂金は、「パンニング皿」と呼ばれる、砂金採取のための道具を利用して採っていきます。また採取場所は、一般的には、岩盤の上にたまっている土砂などにあることが多いです。
「砂金」は勝手に採ってよいのか。マナー・注意点
砂金は勝手に採っていいものなのでしょうか? 北海道のように砂金採りができる公園などではお金を払えばできるところもあります。また自由に掘れる場所もあります。とはいえ、中には川を荒らす人もいるため、近隣住民とのトラブルが多発している地域もあります。川の近くの私有地に無断で入ってはいけません。そのため、砂金採りを街おこしとして行っている場所などであれば、観光協会に問い合わせをするなどして行うことは可能と言えるものの、それ以外の場所ではグレーゾーンであり、おすすめしません。
川を汚さない、後片付けをしっかり行う。そして、近隣の住民とも良好な関係を築く。河川事務所や観光協会などから許可を得るなどして、マナーを守った砂金採りを楽しむようにしてください。
まずは全国にある砂金採り体験施設へ足を運び、金山の歴史なども学びつつ、砂金採りのやり方を学ぶことをおすすめします。
<参考>
あなたの街でも砂金が採れる!?~令和時代の砂金採り入門~(著・伊藤亮太)
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