長崎本線旧線の絶景区間を走る
長崎本線の諫早と長崎の間は、これまで特急「かもめ」が走っていた長大な長崎トンネル経由でショートカットとなる新線と明治期に完成していた旧線があるが、「ふたつ星4047」は旧線を経由する。時間はかかるけれど、大村湾の車窓が存分に楽しめるからだ。 浦上駅を過ぎると、単線非電化の旧線を進む。山深いところを走るが長崎市内の住宅地なので人家が目につく。勾配を喘ぎながら登っていき、サミットを過ぎると大村湾が遠くに見え始め、列車は軽やかに山道を下りながら海岸を目指す。大草駅を通過すると大村湾に沿って走る。ここから喜々津までが最初の絶景区間だ。車窓をゆったりと楽しむために徐行する区間もあり、大村湾の車窓を心ゆくまで体感することができる。特製のスイーツを味わう時間
諫早駅に停車した後は、長崎本線に別れを告げ、大村線に乗り入れる。2号車では、長崎名物のスイーツであるスフレの販売が始まったというので出かけてみた。午前便では特製弁当の販売があるけれど、午後便は走る時間帯のためか、お弁当ではなくスイーツを販売する。 長崎スフレ(900円)というのは、長崎市内の洋菓子店「ママン・ガトー」でしか食べることのできない人気メニュー「熱々スフレ」を「ふたつ星」での車内販売用にアレンジしたものだ。卵白と砂糖を混ぜて焼くことでパンのように膨らむ。冷めるとしぼんでしまうので、出来立てをすぐに食べないと本当のおいしさが分からないかもしれない。ともあれ、すぐにラウンジのテーブル席で車窓を楽しみながらいただいてしまおう。数量限定で事前予約必須なので、乗車が決まったら注文はお早めに! 他には、雲仙で人気のアイスソルベ(果汁やシロップを凍らせた氷菓)や武雄市のイタリア料理店でつくった武雄産のレモングラスを使用した焼き菓子カントゥッチなどおいしそうなものをいくつも売っていて目移りしそうだ。
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