「スマホ熱中症」なる事象も
なぜなら多くのスマートフォンは暑さに決して強い訳ではなく、猛暑の中で利用し続けると本体のさまざまな部分に悪い影響が出てしまう可能性があるからです。最近ではそうした事象を「スマホ熱中症」などと呼ぶ人も増えているようで、多くの人が暑さでスマートフォンに何らかの影響を受けている様子がうかがえます。実は多くのスマートフォンは適切に利用できる環境の温度が定められており、代表的な所でいえばアップルの「iPhone」シリーズは0~35度とされています。過酷な環境での利用を想定した京セラのタフネススマートフォン「TORQUE」シリーズなどを除けば、多くのスマートフォンは35度くらいまでの環境で利用することを想定して作られているのです。 35度を超える猛暑日の環境でスマートフォンを長時間利用するようなことはメーカーもあまり想定しておらず、そのような環境で利用し続ければ多くの問題が発生する可能性が高まることは覚えておくべきでしょう。
スマートフォンが熱くなると起きる問題とは
では実際のところ、暑さによってスマートフォンにどのような問題が起きることが考えられるでしょうか。1. 本体が熱くなる
最もシンプルかつ誰しもが体感するであろう問題は、本体そのものが熱くなってしまうことです。元々スマートフォンからはCPUやカメラなどさまざまな部分の動作によって熱が発生しています。加えて、夏場は暑さによって外部からの熱もあり、より本体が熱くなりやすいのです。
実際、夏場は外でスマートフォンを使っていると持ちづらいほど熱くなってしまうことも少なくありません。そのまま使い続けると、最悪の場合低温やけどになってしまう可能性もあるので注意してください。
2. パフォーマンスが低下する
暑さによるパフォーマンス低下も、多くの人が経験したことのある問題といえるでしょう。
スマートフォンは熱が本体のさまざまな部分に悪影響を与えてしまうため、本体が熱くなると、CPUやディスプレイなどさまざまな部分のパフォーマンスを落として熱を冷まそうとする仕組みが備わっています。それゆえ例えば暑い所でスマートフォンに負荷がかかり熱が発しやすくなる動作、例えばゲームをしていたり、カメラアプリで長時間動画を撮影していたりすると、パフォーマンスを落とすためアプリを終了してしまうこともあるのです。 特に最近ではVLogなどで動画撮影をする人が増えていますが、炎天下で動画を撮影し続けると突然カメラアプリが終了し、肝心な場面で撮影ができなくなってしまう……という苦い経験をしてしまうことにもなるので注意してください。
3. スマートフォンが故障する
暑さで生じるより深刻な問題は、熱によって本体が壊れてしまうことではないでしょうか。スマートフォンは精密機器ですので、高温の環境で使い続ければ内部のさまざまな部品に悪い影響が及び、故障してしまうリスクが高まってしまうのです。
とりわけ注意が必要なのがバッテリーです。多くのスマートフォンのバッテリーにはモバイルバッテリーと同様リチウムイオン電池が用いられており、最近では5000mAh前後とモバイルバッテリーと大きく変わらない大容量のものを搭載する機種が増えています。 これまで何度か、モバイルバッテリーを炎天下の車内に放置し、爆発してしまうといったトラブルが起きています。大容量バッテリーを搭載しているスマートフォンでも同様のトラブルが起き得る可能性があるので、十分注意が必要だということは覚えておくべきです。
もしスマートフォンが熱くなったら?
ではもし、スマートフォンが熱くなってしまった場合はどうすればいいのか……? と言いますと、使うのを止めて内部からの熱の発生を抑え、熱を放熱しやすいようケースを外し、風通しのよい所に置くなどして自然に冷えるのを待つのがベストです。早くスマートフォンを復活させたいから急速に冷やしたいと思う人も多いでしょうが、水につけたり冷蔵庫に入れたりするなどして急激に冷やすことは絶対にNGです。なぜなら急激に冷やすことでスマートフォンの内部に結露が生じ、それが原因で故障してしまいかねないからです。
猛暑日の外でのスマートフォン利用は必要最小限に抑え、もし熱くなってしまったら直ちに使うのを止める、ということを心がけておいてください。
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