生活費、収入の何割を使う?

お金を必要な分だけ使っていると、家計は赤字になってしまいます。収入に応じて使えるお金を設定し、その範囲内で生活をすることが大切です。また、やみくもにお金を使わないというのも寂しいものです。「生活費として、どれくらいお金を使ってもよいか?」を考えてみましょう。
 

可処分所得から考える

収入の何割を生活費に……と考える時、この「収入」には要注意です。給料などの支給額が全て使えるわけではありません。税金(所得税、住民税)や社会保険(年金、健康保険、雇用保険など)は必ず徴収されます。まずは、手取り収入(可処分所得)から考えましょう。
 
「可処分所得=収入-(所得税+住民税+社会保険料)」
 
総務省「家計調査」によると、2人以上の世帯のうち勤労者世帯の平均データ(2021年)は「1カ月平均実収入:60万5316円、税金・社会保険料などの非消費支出:11万2634円、可処分所得:49万2681円」となっており、可処分所得は収入の約81%となっています。可処分所得は収入の8割と考えておきましょう。
 

貯蓄分をひいた残りが生活費

可処分所得の全てを生活費にあてるというわけにもいきません。貯蓄分をひいた残りのお金で生活するようにしましょう。残ったら貯蓄では、まず貯蓄はできないと思っておきましょう。
 
家計調査の2人以上の世帯のうち勤労者世帯の平均データ(2021年)を見てみると、可処分所得1カ月49万2681円のうち、17万1070円を貯蓄にまわしています。手取り収入の34.7%にあたる額ですね。とはいっても、ファミリースタイルによって家計事情は変わってきます。年代別の状況を見てみましょう。
 

年代別可処分所得・貯蓄率一覧(月平均)

2人以上の世帯のうち勤労者世帯の世帯主の年齢別、1カ月の収支と貯蓄の平均データ。年齢によって貯蓄率が大きく変わっている (出典:総務省「家計調査年報(家計収支編)2021年」)

2人以上の世帯のうち勤労者世帯の世帯主の年齢別、1カ月の収支と貯蓄の平均データ。年齢によって貯蓄率が大きく変わっている(出典:総務省「家計調査年報(家計収支編)2021年」)


表は、2人以上の世帯のうち勤労者世帯の世帯主の年齢階層別の1カ月の収入と貯蓄金額、貯蓄率の一覧です(世帯主、配偶者あわせた世帯全体の収入、貯蓄)。
 
貯蓄率というのは、可処分所得の中の貯蓄の割合。この貯蓄率に注目して、子どもの成長に伴いどのように変化するかを見てみましょう。
 
今回は、預貯金だけでなく貯蓄型の保険も含めた形で貯蓄を考えていきます。
 

夫婦2人世帯はとにかく貯める!
目標:貯蓄率45%、生活費率55%

34歳までの貯蓄率は39.7%と全年齢の中で一番高い割合を貯蓄しています。18歳未満の人数は1.31人と子どもが生まれたところでしょうか。ただ、この中には夫婦だけの世帯も含まれており、その割合も多いかと予想されます。
 
子どもがいない世帯はこの平均よりさらに高い貯蓄率を目指したいところ。貯蓄率45%、生活費率55%あたりを目標にしましょう。
 

子育て世帯:子どもが小学校までは貯め時!
目標:貯蓄率40%、生活費率60%

続いて、35歳から39歳は39.3%、40歳から44歳は38.7%と高い貯蓄率を維持しています。子どもは小学生あたりでしょうか。子どもの教育費が本格的にかかる前にしっかりと貯蓄している様子がわかりますね。収入にもよりますが、目安としては貯蓄率を40%、生活費率を60%と考えてみましょう。
 

子どもが中学校以降は教育費に応じて!
貯蓄率5~30%、生活費率70~95%

子どもが成長するにつれて、どのようになるのでしょうか? 貯蓄率は40歳から44歳38.7%、45歳から49歳までは33.5%。ちょうど、子どもが小学校から高校といったところでしょうか? 子育てといっても、まだ子どもにかかるお金は少ないころです。子どもが高校あたりまでは、貯蓄率30%を目指しましょう。
 
次に50歳から54歳を見てみると、貯蓄率が34.4%と変わらず高水準を維持しています。18歳未満の子どもが0.69人と子どもが独立している世帯も多いのでしょう。ただ、大学生などがいる世帯にとっては教育費の負担は大きなものとなっています。貯蓄もできればよいほうという世帯も多いのではないでしょうか? 大学生などがいる世帯は、まずは貯蓄率5%を目指しましょう。
 

シルバー世代は収入に応じて!
貯蓄率25%、生活費率75%

最後にシルバー世代を見てみましょう。60歳から64歳では貯蓄率が26.7%と、一番低いポイントとなっています。定年には至らないという会社でも、60歳から給与がぐっと減ります。本格的な年金受給もまだですから、この時期が一番大変な時でしょう。なんとか25%を目標に貯蓄ができればいうことなしですね。
 

生活費は総収入の50%から75%を目標に!

先ほども述べましたが、総収入から可処分所得(手取り収入)を考えた時に、総収入の8割が可処分所得といえます。 この可処分所得のうち、子育てファミリーの生活費は60%~95%。つまり年収(総収入)から考えると、生活費は48%から76%程度といえそうです。現役労働世帯(子育て中)の生活費の目安は、
 
・子どもが小学生まで……年収の50%
・子どもが高校まで……年収の65%
・子どもが大学生……年収の75%

 
といえるでしょう。ただし、これらの数字はあくまでも目安です。世帯収入や子どもの人数によっても変わってきます。ただ、子どもの成長とともに貯められるお金は減っていきます。子どもが小さいうちに、貯める習慣を作っておくとよいでしょう。
 
使えるお金を決めてその範囲内でやりくりできれば、ある程度の貯蓄が貯まるとわかり、やる気も出てきます。まずは、家計を「見える化」して使える生活費を決めるとよいでしょう。

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