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「24年ぶりの歴史的円安」1ドル=135円は何が“ヤバイ”? メリット・デメリットをわかりやすく簡単に解説

2022年6月14日、ニューヨーク外国為替市場において1ドル=135円48銭と1998年10月以来の円安水準となりました。「歴史的円安」などと話題となっていますが、一体何が“ヤバイ”のか、騒がれている理由が今ひとつ掴めていない方も多いのではないでしょうか。円安による、私たちの生活への影響について、わかりやすく簡単に解説していきます。

伊藤 亮太

執筆者:伊藤 亮太

株式・ファイナンシャルプランナーガイド

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続く円安。メリット・デメリットをわかりやすく簡単に解説します

2022年6月14日、ニューヨーク外国為替市場において一時、1ドル=135円48銭と1998年10月以来の円安水準になりました。およそ24年ぶりとなる円安水準に「歴史的円安」などの声も上がり話題となっていますが、一体何が“ヤバイ”のか、騒がれている理由が今ひとつ掴めていない方もいるのではないでしょうか。

一体なぜこのような円安になったのか、私たちの生活への影響、メリットはあるのかなどを、わかりやすく簡単に解説していきます。
 

「為替」の仕組みと「円安」の主な要因

まず、簡単に為替の仕組みについて説明します。中長期的な視点から見ると、為替の変動は「金利」「物価」の側面から動く傾向にあります。

今回の円安の主な要因は、日米の「金利差」にあります。アメリカではインフレが進み、その対処法として金利を引き上げる政策が進められています。この金利の引き上げが想定よりもさらにスピードアップするのではないか? 1回の金利の引き上げ幅が大きくなるのではないか? そのような懸念が円安ドル高をさらに加速させたと考えることができます。

要は、日本は金利が上がらない、アメリカは金利が上がるとなれば、円を売ってドルを買った方が金利がついて良いわけです。このような流れから、円安ドル高の流れは今後も継続する(少なくとも大幅な円高は考えにくい)でしょう。ただ、アメリカの金利がどこまで上がるかによって為替が変動する状況にあるため、際限なくどこまでも円安へとなる可能性は低いでしょう。
 

円安のデメリット:輸入物価に反映され、値上げにつながる

それでは、この円安は私たちの生活にどのような影響を与えるのでしょうか?

まず考えられるのが、輸入物価の上昇です。海外から輸入する製品の価格は円安によって押し上げられ、私たちが購入する際の価格が上がります。ましてや、現在はロシア・ウクライナ情勢もあり、小麦などの価格がすでに上がっている状況にもあります。商品価格の上昇+円安というダブルパンチも考えられます。このような値上げはこれからも進んでいくことになるでしょう。

私たちが海外に行くときの旅費やお土産などの価格も高いと感じるようになるでしょう(逆に言えば、日本の物価が安すぎるともいえますが……)。コロナ禍の影響もあり、これまでは海外に行ける状況ではなかったものの、今後海外旅行が少しずつ緩和されるにつれ、円安の影響を感じる機会も増えていきそうです。

生活する上で、価格の面でマイナスの影響を受ける可能性があること、これがわかりやすい円安のデメリットといえます。
 

円安のメリット:インバウンドは活性化する可能性大

一方、海外から日本に来る外国人旅行者は円安の恩恵を受けることになります。今まで以上に、ますます「日本は安い」と思われかねません。インバウンドを期待する旅行関係者にとっては恩恵を受けることになりそうです。

また、ドルを中心に外貨預金など資産運用を行っている方も円安により為替差益が得られますので、恩恵を受ける対象になります。

この他、輸出をメインとする企業にとっては、円安により売上増加が期待できるため有利となります。中には、過去最高益を叩き出す企業もある模様です。

このように、円安はメリット・デメリットあり、恩恵を受けるケースもあれば不利となるケースもあります。

長期的な視点からいえば、円安は日本の物価上昇にもつながるため、給料が上がらなければ実質的な購買力が低下する恐れがあります。意図的な円安ではなく、金利差による自然の流れではあるものの、このまま放置するのもどうかと思います。個人個人でできることは限られていますが、外貨による運用などで資産を守るといった視点も必要だと考えます。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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