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手持ちのコインも値段が上がる可能性あり。コイン鑑定の仕組みと評価とは?

日本でもコインを鑑定に出すことが当たり前となってきました。この鑑定により、価値が大幅に上がる場合があります。そもそも、いったい鑑定とは何でしょうか? 鑑定の仕組みと評価について解説します。お手持ちのコインがお宝へと化けるかもしれませんよ。

伊藤 亮太

執筆者:伊藤 亮太

株式・ファイナンシャルプランナーガイド

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コインを鑑定に出すと値段が上がる? そもそも鑑定とは?(画像は筆者所有の、グレード70が付いたコイン)

コレクションが本物かどうかはもちろんのこと、その価値がどれぐらいなのか? 当然所有者は知りたいことでしょう。コイン収集においても、価値を知り保存することは極めて重要です。特にそのコインのコンディション(状態)がどの程度なのかによって、同じコインでも価格は雲泥の差となることがあります。そこで、今回はコインの鑑定の仕組みと評価について解説します。
 

これからは鑑定をつけるのが当たり前の時代に

日本では本物かどうかといった鑑定はもちろん行われてきましたが、より詳細なコンディションまで評価されてこなかった経緯があります。しかしながら、今では欧米の価値観を踏まえ、コインのコンディションを70段階に分けて評価する仕組みが当たり前になりつつあり、日本でも浸透し始めています。

「鑑定」を知ることで、保有するコインの価値が大幅に上がる手段を知ることになるかもしれません。
 

大手コイン鑑定機関「PCGS」と「NGC」

まず、コインを鑑定する会社について簡単に説明します。日本のコインを含め、世界各国のコインのコンディションを評価する主な鑑定機関としては「PCGS」と「NGC」が挙げられます。

PCGSは、1986年にアメリカのカリフォルニア州ニューポートビーチに創設され、NGCは1987年に同じくアメリカのフロリダ州サラソタに創設された第三者格付け鑑定会社です。いずれも設立から30年以上経過する、コイン鑑定機関としては老舗の企業になります。

いずれの企業も、コインに対してプロにより70段階で評価がなされ、世界共通の基準としてコインのグレーディング(=鑑定)が行われています。このうち、70や69評価は空前絶後品とも呼ばれ、最高ランクに位置します。特に古いコインでこの評価が付くことは稀であり、モダンコイン(アンティークコインと比較して新しいコイン)では発売後すぐに鑑定に出すことで70や69評価が付きやすいといえます。

65~68評価は完全未使用レベルの評価です。63~64あたりが未使用品、61~62あたりが準未使用品、53~60あたりが極美品クラスになります。この他、40~50あたりが美品、30~35あたりが並品クラスに位置します。

このような鑑定は、日本の鑑定代行会社(例:泰星コイン、ワールドコインズジャパンなど)を通して行うことができます。
 

ランクが高いほど価格は大化けする可能性あり

この評価は、価格に大きく反映されます。1ランク異なるだけで価格は倍違うといったケースも多々あるのです。特に外国では数字評価を好み、高いランクのものほど高額で取引されるケースが多くなっています。これは、高いランクのものほど数が少なく貴重だからといえます。日本のコインの中にも、明治期のものなど、グレーディング結果次第で何百万円となるケースもあります。

なお、日本には日本貨幣商組合の鑑定をつける方法もあります。70段階のような細かい評価はありませんが、日本のコインであれば貨幣商組合の鑑定書を付けることで、箔が付くケースがあります。もちろん、貨幣商組合の鑑定を付けた後に海外の鑑定を付けることも可能です。逆の順番ではできませんのでご注意ください。

昔集めたコインの中で、これはグレードがよさそうというものがあれば鑑定に出してみるといいかもしれません。大化けする可能性がありますよ。

>次ページ:筆者所有のグレード付きコレクションを一部紹介
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