現行の5円玉が21万円に!? その理由とは
今回は、6月11日に終了した銀座コインオークション(第108回入札誌「銀座」)から、現行の5円玉の落札結果を取り上げていきます。その金額に、びっくりされる方もいると思います。一体どのような結果であり、なぜそうなったのか、解説していきます。
5円が手数料含み21.5万円。実に4.3万倍に
入札誌「銀座」は、現在はインターネットを主とするオークションであり、これまで108回の実績があります。今回のオークションで注目したのは、Lot番号354の昭和33年発行「5円黄銅貨」。鑑定機関PCGSが付ける70段階のグレードで「MS67」が付いたものです。現行の5円玉には、2種類の書体があるのをご存じでしょうか。昭和24年から昭和33年までは楷書体、昭和34年以降はゴシック体で文字が書かれています。分かりやすく言うと、昭和33年までの5円玉は書道で見るような字体。古い5円玉の証拠となります。
昭和33年の5円玉の発行枚数は、5000万枚。希少価値のある特年といわれる昭和32年が1000万枚の発行ですから、数は多く存在します。そんな5円玉が今回のオークションでは18万5000円で落札、手数料込みで21万5525円となり、4.3万倍に化けたのです。
これはなぜか。昭和33年ということは、今から60年以上も経過した5円玉です。多く存在するものの、未使用となると極端に数が減ります。その未使用の最高峰が、昭和33年のものに関してはグレードがMS67(70段階中67、完全未使用)という評価であり、2022年6月現在、コインの鑑定機関PCGSで鑑定されたもののうち5枚しか存在しないのです。コイン収集マニア、特に現行貨幣収集マニアにとって、世界最高ランクは是が非でも入手したいもの。その結果、とんでもない金額に化けたのです。
ポイントは「未使用」で「数十年」経過している貨幣
団塊の世代をはじめ、コイン収集をされていた方は多くいらっしゃると思います。今回の5円玉のような現行貨幣についても、毎年未使用レベルのものを集めていたというケースも数多くあると思います。是非自宅にそのようなコインがないかどうか探してみましょう。そして、これはきれいといったものがあればコインの鑑定機関であるPCGSやNGCに、鑑定に出してみるといいでしょう。鑑定によりコインの状態が評価され、その評価により、現行貨幣でも大化けする可能性があるのです。特に今回のような数十年経過している現行貨幣は驚くべき結果となることがあります。発行枚数が少ない年を中心に、未使用レベルのコインを探してみるといいでしょう。実は気づかなかっただけで、お宝は自宅に眠っているかもしれません。