Q:年金受給しつつバイトをする場合、いくらまでなら年金カットされないのですか?
「65歳未満で、年金をもらいながらパートやアルバイトをするとしたらいくらまで働いてもいいのですか?」(匿名希望)
年金をカットされないように働くなら、どのくらいの収入?(画像:PIXTA)
A:厚生年金に加入している60歳以上の場合、基本月額(およそ老齢厚生年金÷12)と総報酬月額相当額(およそ月給と直近1年間の賞与÷12)の合計が51万円を超えると減額されます
60歳以上の方が厚生年金に加入し、パート・アルバイトをする場合、令和7年4月以降、基本月額(老齢厚生年金÷12)と総報酬月額相当額(月給と直近1年間の賞与÷12)の合計が51万円を超えると、老齢厚生年金が一部または全額支給停止になります。法改正により令和8年度に51万円という基準額は62万円に上がる予定です。この制度のことを在職老齢年金といいます。したがって厚生年金に加入しないパート・アルバイトであれば、いくら働いても老齢厚生年金はカットされません。なお、65歳からもらう老齢基礎年金については在職老齢年金による減額の対象にはなりません。
また、厚生年金適用事業所にパート・アルバイトとして、常時雇用されている従業員の所定労働時間の3/4以上働けば、社会保険(厚生年金・健康保険)に入ることになります。
令和6年10月以降は厚生年金保険の被保険者数が50人を超える事業所で、週の労働時間が20時間以上、賃金月額8万8000円以上などの要件を満たすパート・アルバイトの方が、社会保険に加入することになりました。
厚生年金保険の被保険者数が50人以下の事業所でも労使の合意があれば、週の労働時間が20時間以上、賃金月額8万8000円以上などの要件を満たすと、常時雇用の従業員の所定労働時間の3/4以上働いていなくてもパート・アルバイトが社会保険に加入できることになっています。
今後も勤務する事業所の人数や月収にかかわらず、より多くのパート・アルバイトが社会保険(厚生年金・健康保険)に加入できるよう、厚生年金・健康保険の適用範囲を順次拡大していくことが、法律で決まっています。
週20時間以上働き、賃金月額8万8000円以上のパート、アルバイトの方は、勤務先の従業員数(厚生年金加入者数)にかかわらず、将来的に社会保険(厚生年金・健康保険)へ加入することになるでしょう。月給と直近1年の賞与の12分の1と1カ月当たりの老齢厚生年金額の合計次第では、老齢厚生年金額が調整される可能性がある、ということを知っておきましょう。
※専門家に取り上げてほしい質問がある人はこちらから応募するか、コメント欄への書き込みをお願いします。