リモート生活に慣れすぎて、リアルなコミュニケーションが苦痛に?
リモート生活に慣れすぎると、リアル場面での会話が億劫になりがち。そんなときこそ、3つのポイントで語りかけよう
コロナの流行もいつかは終わり、忌憚なく会話を交わせる日常も戻ってくることでしょう。そのときに、「人との会話がストレスでたまらない」「対面でのかかわりが苦痛で仕方がない」、こんな気持ちが募ってしまわないように、今から少しずつでもリアルでの会話に慣れていくとよさそうです。
久々のリアル会話の疲れで「ソーシャル二日酔い」になる人も?
先日、私はある新聞から「ソーシャル二日酔い」(Social Hangover)という欧米で生まれた新語についての取材を受けました。コロナ感染リスクの減少と共に、リアル場面でのコミュニケーションの機会が一気に増えたことで、会話後に「二日酔い」のように気分が悪くなる現象を意味する言葉だそうです。日本ではまだ耳慣れない言葉ですが、もうすでに「ソーシャル二日酔い」の現象はあちこちで起こり始めているのではないでしょうか? オンライン会議が対面での会議に変わり、スタッフ全員とフェイス・トゥ・フェイスで話すようになった。授業がオンラインから教室に切り替わり、キャンパスは人であふれるようになった。
久しぶりに人の多い環境に身を置くと、いわゆる「人酔い」のようなストレスがかかり、帰宅してから疲れが出て、次の日は何もしたくなくなる、誰にも会いたくなくなる。こんな「ソーシャル二日酔い」現象に悩まされている方は少なくないように思います。
人付き合いを回避し続けるデメリット…頼れる人も不在に
ですが、水が低きに流れるように、何もしなければ人の心も易きに流れてしまいます。リアル場面での人とのかかわりが面倒だからといって、接触を回避することばかり考えていると、コミュニケーション力は衰える一方です。実際、仕事でも学業でも、一人だけの力で進められることなど、たかが知れていますし、迷ったときに誰も相談できる相手がいない状況では、ピンチを切り抜けることもできなくなってしまいます。ちょっとした会話を通じて、人と何でも話せる関係をつくっておけば、聞いた言葉をヒントにしながら、難しい局面を打開することができます。ぜひ今から、リアル場面でのコミュニケーションに少しずつでも慣れていきましょう。
リアルなコミュニケーションを活性化させる3つのポイント
リアル場面でのコミュニケーションを活性化させるためには、いくつかのコツがあります。次の3つは、人と仲良くなる会話の基本として取り組みやすい方法です。ぜひ、できることから始めてみてはいかがでしょう。1)「ちょっと顔見知り」くらいの間柄こそ、自分から声をかける
マスクをしていると、一、二度会話をしたことがある相手に話しかけるのを躊躇してしまうもの。「相手は自分のこと覚えてないだろうな」とつい思ってしまうから、最初の一声をためらってしまうのでしょう。ですが、人はマスクをしていても、顔や体全体の雰囲気や相手の印象を覚えているものです。「あのときはどうも」など、ためらわずに自分から声をかけると、相手も話しやすくなるでしょう。
2)あいさつのお見合いをしない。自分から第一声を放つ
1)と同様、マスクをしていると、周りの状況を見てから行動する流れになりがちです。そのため、気がつけば日頃のあいさつも、「待ち」の姿勢になっている方が多いのではないでしょうか。皆がそのように、あいさつのお見合いをしているような状況では、会話は一向に進みません。難しく考えず、すれ違った人や目が合った人には、条件反射的にあいさつをするといいでしょう。「やあ、おはよう」「ご無沙汰してます」など、自分の方から気軽にあいさつをすると、相手も明るく言葉を返してくれるでしょう。
3)マスク下でも表情は伝わる! 笑顔を忘れない
口元がマスクで覆われていると、「どうせ相手に表情は見えないだろう」と思ってしまいがち。ですが、眉や目じり、ほほ骨の動きによって、マスク越しでも相手の表情は意外にしっかり読み取れているものです。無表情の相手と話すことほど、苦痛なことはありません。「マスクをしているから、表情までは伝わらないだろう」と思い込まず、マスクをしないときの会話と同じように、しっかり表情筋を動かして会話をするようにしましょう。
以上の3つでお伝えしたように、コロナ禍の前にはあたり前にしていたコミュニケーションの基本を思い出し、声掛け、あいさつ、笑顔の3つのポイントを意識して、しっかり会話をしていきましょう。すると、「ソーシャル二日酔い」などの人間関係のストレスに悩まされることなく、コロナ前と同じような人付き合いがスムーズに進んでいくと思います。